シスコン☆ドクター。３〈橙〉

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亮side




Aちゃんはきっと、
注射の痛さより針が刺されること
に対しての恐怖心の方が強いんやないか…
って思って。


「まだ注射せんからな。」って
嘘ついて針刺すのも抵抗あったけど、
Aちゃんは注射されてるって
気づいてないみたいで一安心。


隆「A？痛いの終わりやって^^

頑張った頑張った(撫」


「ｸﾞｽｯ………まだっ………(泣)

だって………

注射これから……でしょ…？(泣)」


隆「んー？もうチックンも終ったで？

なぁ、亮ちゃん(笑)」


亮「おん(笑)

Aちゃん頑張ってくれたから

もう痛いことせぇへんで^^

ほら、傷痛くないやろ？」


もう麻酔終わってるで、って証拠に
傷口をツンツンつついてみる。


「ｸﾞｽｯ………痛くない……(泣)」


亮「ふふ、せやろ？

あとはもう痛いことないからな^^

マルにぎゅーってしててもらい？」


隆「あと少しで終わりやからな^^

ほら兄ちゃんとぎゅってしとこ。」


「ｸﾞｽｯ……うん………。」


それからのAちゃんは
落ち着いて処置を受けてくれて。


糸を切る"パチンッ"って音が怖いみたいで
身体をビクビクさせとったけど…。


『大丈夫、大丈夫』って言いながら
Aちゃんを抱き締めてるマルは、
いつもより真剣な表情で、
でもAちゃんを見つめる目は
優しくて温かくて…。


いつも俺らといるときの
ふざけたマルからは想像できないくらい
しっかりしたアニキの顔やった。


一番傷跡が残りにくい縫い方で
数針縫って、もう一度消毒をしたあと
ガーゼをあてて包帯を巻いて。


亮「よし、Aちゃん終わりやで！

よく頑張りま……」


隆「A〜っ、終わりやって！

よお頑張ったなぁ！偉い偉いっ！」


俺の言葉を遮って、
これでもかってくらい笑顔で
Aちゃんを褒めてるマル。


Aちゃんは終わって安心したんか
また弱々しく泣き出して
マルの胸に顔をうずめてる。


俺も褒めてあげたかったんになぁ…
なんてちょっとだけ悔しい。


なんて思ってたら
マルがAちゃんの耳元で
何か話したと思うと、
まだ泣き顔のAちゃんが
俺の前に来て…


「りょう……せんせ………ｸﾞｽｯ…

……ありがと…ございました……(泣)」


なんて言うもんやから。


亮「怖い思いさせてごめんな。

ほんまによお頑張ったな^^(撫」


そう言って頭を撫でると、
恥ずかしそうに少しだけ笑ってくれた。

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