スキズのマネージャー (ページ1)

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忙しいマネージャーページ1

BC side

俺たちのマネージャーのAヒョンは、俺たちメンバーよりも忙しそうだ。
その証拠に、今日のファンミーティングの前もステージと控え室をバタバタと行ったり来たりして、少し落ち着いたと思ったらパソコンで残務をこなしている。

それでも、Aヒョンのことが大好きな弟たちは、忙しそうとかお構いなしにヒョンに構いに行く。

特にスキンシップが多いのはリノとヒョンジンだ。
リノはAヒョンがパソコンに向かって座っている間に無理やり体をねじ込んで膝に座っていた。Aヒョンは抵抗もせずリノを膝にのせたまま仕事をしていた。
ヒョンジ二は後ろから抱きつき、Aヒョンの肩に顎をのせていた。構ってほしそうに肩に頭をぐりぐり押し付けたりするヒョンジ二に、Aヒョンは軽く頭をポンポンとなでて大人しくさせる。
なんだか本当に扱い慣れすぎてて、ちょっと笑ってしまう。

さっきなんて、無線で他のスタッフと話ながら控え室に戻ってきた瞬間、チャンビニがAヒョンに後ろから飛び付いた。小柄で細いAヒョンは、「ｳﾞｯ」と短い悲鳴をあげたけど、そのあとなぜか無線をチャンビニに持たせてスタッフさんと話ながら、チャンビニのことはしっかりおぶっていた。

Aヒョンはかなり忙しいはずなのに、弟たちの絡みに怒ることなく構ってあげて、それでいて仕事はしっかりとこしなす。

Aヒョンのタイミングを計るなんてことは、このグループだと俺かヨンボガくらいのもんだ。

一通りのうざがらみが一段落したころ、Aヒョンがパソコンに向かって座っている横にヨンボガがもじもじしながら座った。Aヒョンはすぐにそれに気づいて、「今日もかわいいな～、ヨンボガ～」なんて言って軽くハグした。

それを見たヒョンジニが「ずるい！俺も！！」って言いながらふたりにのしかかり、他の弟たちも群がってきた。
俺は一歩引いてわちゃわちゃしているヒョンたちを見ていたら、ふと顔を上げたAヒョンと目があった。

「チャニ～、おいでおいで～」

もみくちゃにされながらAヒョンが笑いながら手招きをしている。

なんで、Aヒョンに名前を呼ばれたら暖かい気持ちになるんだろうな。
きっと彼には、俺が遠慮していることも、無邪気にヒョンに絡んでいる弟たちのことがちょっとだけ羨ましい気持ちなのも、お見通しなんだろうな。

そう思いながら、俺はAヒョンと弟たちにダイブした。