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大倉side
シズ「先生、申し訳ないんだけど…
そこの…二番目の引き出しの中のもの…
取ってくださる？」
大「ここですか？開けますね。」
…そこには綺麗な藤色の
編みかけの手袋が入っとった。
大「これ…シズさんが編んだんですか？」
シズ「うふふ…そうよ？
右手はもう完成していてねぇ…
あとは左手だけなの。
これはね、なっちゃんへの
プレゼントなの…^^」
大「…っ…そう、ですか…」
シズ「あともう少しだからねぇ…
少しでも元気なうちにと思って…」
そう言ってシズさんは
ゆっくりゆっくり、手袋を編み始めた。
もう、こんなことできる体力なんて
残ってへんはずやのに…。
シズ「あぁ、先生…
なっちゃんには内緒にしておいてね…
驚かせたいの…^^」
大「…わかりました(笑)
きっと、すごく喜ぶと思いますよ^^」
鈴原のことを…
"なっちゃん"のことを話すシズさんは
ほんまに楽しそうで幸せそうやった。
大「…でもシズさん。
身体、しんどいでしょう。
あまり長い時間、
無理したらあきませんよ？」
シズ「わかっていますよ…。
でもね、先生…
わたしなんて、あと何日もつか…
死ぬまでに、なんとかこれを
完成させたいんです…
多少の無理は、お許しくださいな…」
大「…そんなこと言わんといてください。
なっちゃんが聞いたら悲しみますよ？」
シズ「ふふ…そうねぇ…
…ねぇ、先生。
先生はご結婚されているのかしら…？」
大「僕ですか？
残念ながらまだ独身です(笑)」
シズ「あらぁ、そうなの…
こーんなに男前なのにねぇ…」
大「ははっ、ありがとうございます(笑)」
シズ「…うちのなっちゃん、
お嫁さんにどうかしら…^^」
大「…っ…え？」
シズ「すごく、いい子よ…？
優しくて、べっぴんさんだしねぇ…
それにね、すごく頑張りやさんなの…^^
小さい頃、かけっこで負けたことが
相当悔しかったみたいでねぇ…
何回も転んで傷だらけになりながら
毎日、練習してたのよ…？」
大「…っ…そうなんですね…。」
シズ「あの子は、おばあちゃん子だから…
私が死んだら、すごく悲しむと思うの。
ねぇ、先生…私が死んだあと…
なっちゃんのこと、
先生にお願いできないかしら…？」
大「…っ…」
…シズさんからのお願いに、
返す言葉が見つからへんかった。
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∞ゆず丸∞(プロフ) - チェリーさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(TT)！お読みいただきありがとうございました！！ (2020年1月21日 21時) (
レス) id: 5e380d9365 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - 涙が止まらないほどすごく感動しました！ (2020年1月17日 1時) (レス) id: b33ac076fe (このIDを非表示/違反報告)
∞ゆず丸∞(プロフ) - 亮ちゃんさん» いつも最後の終わり方が分からずに悩んでしまうので、"最高"と言っていただけてとても嬉しいし安心しました(T-T)!!最後までお読みいただき、ありがとうございました！！ (2019年3月15日 21時) (レス) id: 5e380d9365 (このIDを非表示/違反報告)
∞ゆず丸∞(プロフ) - めぐもんさん» 泣いてくれたんですか(´；ω；`)"素敵な作品"と言っていただけて、とても嬉しいです！最後までお付き合いいただき、ありがとうございました！！ (2019年3月15日 21時) (レス) id: 5e380d9365 (このIDを非表示/違反報告)
∞ゆず丸∞(プロフ) - せつさん» こちらのお返事遅くなってごめんなさい(;´д｀)Twitterのフォローありがとうございました！ (2019年3月15日 21時) (レス) id: 5e380d9365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∞ゆず丸∞
| 作成日時：2019年1月13日 23時
