気づいたときには【KS】 (ページ41)

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面倒見のいい子￤KS ページ41

あの日...僕が倒れた日

きっと、見つけてくれたんだろうね

君は何だかんだ言って
優しくて面倒見のいい子だから

彼女が拗ねた時も僕が不機嫌な時も
話しかけづらそうな顔をしながら
“体調だけは...崩したらダメだよ...”とか“暑いのはいいけど、寒いのはダメ”って最後に言ってくるような子だから...

声は聞こえてきてるよ

今日はベッキョナとセフナが来たんだね

あーあー...うるさいよ...
看護師さんに怒られてるし、本当に話の内容も...薄いし...

きっと今、僕は生死を彷徨ってるか
記憶を失うか失わないかの狭間なんだと思う

記憶がなくなったとしても、僕はまた彼女を愛するだろう

死ぬのは、違うと思う...
僕はまだ彼女のそばにいたい

...早く戻りたい

また、彼女が静かに泣くんだ...
あまり鼻を啜ったりしない子だから...
過剰に鼻を啜っていたら、泣いてるってことだよね？

...触れたいな

...戻りたい

...A

『...っ』

後少し...

『っ...A...』

まだ、目を開けるのは少しだけ怖かった

眩しすぎて目が痛くなるのと、彼女が僕のせいで泣いているところを見るのが怖かった

それでも、彼女が
“僕のせいで”泣いていたけど

“僕のために”笑っていてくれてるんじゃないかなって

そう思って

ゆっくりと、目を開けた...