気づいたときには【KS】 (ページ24)

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素直な気持ちページ24

『それで？』

「私が主に使ってるリップはべっちゃんがくれたんだ～…っていうお話ですよね？」

『はい。いかにも』

今日は私が朝ご飯の当番で
作っている時にカウンターから凝視されながら
いつかのようにまた彼から説教される

今回も私が悪い？

…悪い？のか？
そもそも貰い物を装着することは悪いことなのか？
別に良くないか…？

「あのこれって私が悪いことをしたから怒られてるんですよね…？」

『うん』

『っていうのは嘘で、悪い悪くないより
　なんとなく…教えてほしかった…』

「あ～っと、そういうことかあ…ギョンスや～今日も可愛いね」

なんだよ…可愛い嫉妬かよ～なんて思って少し揶揄(からか)ってみる

『今は調子に乗らない方が良いと思うけど？』

と冷たい彼の声
ギョッとして作りかけの卵焼きから目を離して彼の方を見ると
俯きながら

『本当は…嫌だから…』

なんて可愛いことを言いながら
スタスタとこちらに向かって歩いてきて
後ろから抱きつかれた

「なんでしょうか」

『なんとなくー…』

元々は料理が作れなかった私は
彼に料理を少しずつ教えてもらっている

「思ったんだけどね？」

「この卵焼きも一昨日作ったハンバーグも５日前に作った餃子も…
　何から何まで全部全部ギョンスくんの味なんだよね。ギョンスくんが生み出した味。
　それとね全く同じとは言えないけど、紛(まが)い物としてでも作れてるのが
　なんか…嬉しい」

うん。本当にに素直な気持ち
…久々に伝えられたような気がする

『はあー…』

後ろから溜め息が聞こえてきて
まだ怒ってるのかな～って思ったら

『この時間が一生続けば良いのに…』

って聞こえてきて
柄にもなく、涙が出そうになった