神山くんと恋をする。3

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あずきちゃんのお散歩から帰り
Aのお父さんとお母さんとお兄さんと
Aと俺の5人でお喋りをした。




「○×スーパーのCM新しくなったでしょ？
あれ、ともくんが仕切って作ったんだよ！」



母「最近変わったわねぇ！よく見るわよ。
神山くんはそういう仕事をしてるんだ〜」



兄「俺には想像できないけどすげーじゃん！」




愛知県内ではかなり有名な○×スーパー。
この会社のCM作成のプロジェクトの
制作リーダーに選ばれたのは本社から
異動してきたばかりの俺やった。





俺の仕事内容をまるで自分の事のように語り
家族の反応に何故か鼻高々なA。
そんな所もかわいいんやけどね。




「お父さんの好きなビールの会社の広告とCMも
今ともくんがプロジェクトの中に入ってるんだよ！」



父「それは楽しみだな。けどその会社は東京だろ？」




「ともくん名古屋支社にいながら東京支社の
プロジェクトにも抜擢されてるの！！」




「A！恥ずかしいからあんま言わんといてや！」




兄「やっぱなんか発音違うと思ってたけど
神山くんって関西出身…？」




「あ、申し遅れました…。僕兵庫出身なんです。」




俺の発言にびっくりするAの両親とお兄さん。
あれ…もしかしてA言ってない…？？




「ともくんは総合職で大阪の本社にいたんだよ！」




にこにこ答えるAと、少し顔が曇るお父さん。




父「転勤族、なのか？」




「今はそうですけどある程度の実力がついて
役職がつけば落ち着く事ができる部署です。」




突然のお父さんからの質問に流石の俺もたじろぐ。




父「……そうか。」




「ちゃんとAさんと話し合って
お互い納得いく未来にしたいと思っています。
その時はまた、報告に来させてください。」




なんやかんや根が真面目な俺やから
真剣なお父さんの眼差しに嘘はつけへんくて。



まだAにプロポーズもしていない身やのに
お父さんに宣言してしまっている。




父「Aはしっかりしてるけど、
神山くんはそれ以上にしっかりしていて安心したよ。
Aは我慢をしてしまう子だから、
しっかり守ってやってくれ。」




今日初めて見たお父さんの笑顔と
俺にAを任せてくれた言葉。



なんだか少し認められたようで、嬉しかったし
両親の前ではちゃんと子供なAの
無邪気な姿が見れたのも嬉しかった。





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