神山くんと恋をする。3

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「なぁ俺なんか可笑しくない？」



「格好良いから大丈夫！」



「そうやなくて…。」



「こっちが畏まった方がお父さんとお母さんも
畏まっちゃうからいつものともくんで大丈夫！」



「はー、緊張するなぁ。」





ともくんと付き合って初めての年越しを終え
今日は1月2日、私の実家へ行く日。



お母さんにともくんを連れて行くと伝えると



「夕飯だけでも一緒に食べてったら？」



なんて言ってくれたから、お昼過ぎに出発。
自分から行きたいなんて言っていたともくんだけど
いざ出発するとなれば緊張していてなんだか可愛い。




「手土産、これで良かったんかな？」



「同じ市内だし、なくても良かったと思うよ？」



「いや、ファーストコンタクトが大事やから。」




そういえば私もともくんのお家に初めて
遊びに行ったお盆休みはこんな感じだったなぁ〜
なんてまだ数ヶ月前の事なのに懐かしく感じる。




「駅からどのくらいなん？」



「歩いて20分くらいだから
お母さん駅まで来てくれるって！
早くともくんに会いたいみたいだよ。笑」




笑いながら言ったものの、ともくんは



「ほんまに勘弁してや〜」



なんて本当に勘弁して欲しそうな表情で
言うもんだからついつい虐めたくなる。笑




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「お母さんお迎えありがとう！」



「A久しぶり。元気そうで良かった。」



「初めまして！Aさんと
お付き合いさせて頂いてます神山智洋です。
今日はお邪魔します。」



「ふふっ、そんなに畏まらなくて大丈夫よ。
いつもAがお世話になってます。」



ガチガチに固い挨拶をするともくんに
お母さんも思わず笑っている。


お母さんと私の笑顔を見て安心したのか、
ともくんも目の下にえくぼを作って可愛く笑う。




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「ただいま。」



「おっ、お邪魔します！」




久しぶりの我が家。
いや、兄夫婦と両親の二世帯住宅に
建て替えられてるから我が家ではないか。



お母さんに会えたのは嬉しいけど、
やはりこの家に帰ってくるのは気が重い。



現に今、1年ぶりに帰省する私を
玄関先で出迎えてくれるのは
お母さん、お父さん、そしてお兄ちゃん。



甥っ子達の声はするし、
義姉さんも家にいるはずだけど
私が帰ってきても顔を出さないから、不快だ。




「初めまして！
Aさんとお付き合いさせて頂いております。
神山智洋と申します。今日はお邪魔します！」



けど今日はともくんもいるから、きっと大丈夫。





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