神山くんと恋をする。2

56 ページ6

.




「俺は痛みも大変さも分からへんけど。
Aが辛いんやったら力になりたい。
邪魔って思うんやったらそっとしとくし
甘えたいんやったらそばにおりたい。」




そう言って抱きしめてくれる智洋くん。
私が素直に本当は一緒にいたい、と伝えると。
今日は私の家に泊まろうって提案してくれて。



「片付け終わったらAの部屋行くから。
お風呂入って、あったかい格好しとくんやで。」



なんて言って頭を撫でてくれる。
なんだか私、あやされてる子供みたい。
そのくらい智洋くんは私に甘くて。
素直じゃない私も素直になれてしまう。
改めて、だいすきだなぁって思う。



.




私のベッドで二人横になる。
1日目の生理痛は本当に酷くて。
私が智洋くんに背を向けるように寝て、
智洋くんが後ろから腰をさすってくれる。


「大丈夫？」


「お風呂入ってあったまったから
なんか良くなったかも。ごめんね。」


「謝ることないやん。
寝付くまでさすっとるし、ゆっくり休みや。」


「うん。」



智洋くんは優しく腰をさすり続けてくれる。
摩擦であったかくなって、気持ちも満たされる。


だけどやっぱりなんだか物足りない。
せっかく智洋くんと一緒にいるのに
これじゃなんか一人で寝ているみたいだ。


いつもみたいに智洋くんに包まれて
智洋くんの寝息を聞きながら、眠りたい。




「こっちがいい。」



そう言って私が寝返りをうって、
智洋くんに向き合って胸に頭をうずめる。
自然に智洋くんは抱きしめてくれる。



「もう、なんなん？ほんまにかわええ。」



そういってぎゅうぎゅう抱きしめる智洋くん。
胸からはドキドキが大きくなって
智洋くんの緊張も伝わってくる。嬉しい。



「今日はごめんね。」


「大丈夫やで。素直になってくれて嬉しかった。
甘えてくれんのもめちゃめちゃ嬉しいで。」


「優しくしてくれて、
甘やかしてくれてありがとう。
智洋くんがだいすき。」


「俺もAがだいすきやで。おやすみ。」


私のこと抱きしめながら腰をさすってくれる。
いつも以上に優しくて、甘くて。
こんな智洋くんに会えるのなら、
不謹慎だけど辛い生理もたまには良いかな。
なんて思ってしまった。




.

57→←55

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す