神山くんと恋をする。2

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「この子、幼馴染なの？」



私が指差すその子は幼稚園くらいの写真から
智洋くんとずっと一緒にいる可愛らしい女の子。


「その子のお姉ちゃんと
うちのお姉が仲良かったんやけど。
自然と家族ぐるみで仲良うなって。
ん〜、まぁ幼馴染やな。」



私にだって男の幼馴染はいるし。
ちょっと寂しい気持ちになったけど。
昔の事を気にしたって仕方がない。



今も仲良しなお友達の事を教えてくれたり
この頃何にハマっていた、とか
私の知らない智洋くんを沢山教えてくれる。


その度に写真に現れるその女の子。
二人で映ってるのもたくさんあるし
友達と映っててもその子も映ってる事が多いし
今でも仲良いのかな？なんて。




「高校生の智洋くんかっこいい！！
ブレザーすごい似合ってるね！！」



「あ、高校のは寄せ書き見んといてな。」


「え〜そう言われると見たい！」


「俺は見せたない！」



高校の卒アルを見てる時。
もう少しで寄せ書きのページ、と言う時に
見ないでほしい、と言われる。



見せたくないって言われたんだから
見ない方が良いんだけど。
人間、そう言われると気になってしまう。



智洋くんの腕をすり抜け、寄せ書きのページを開く。
駄目って言われたら、したくなる。
ただ、そんな好奇心だったんだ。





一際目立つ女の子特有の文字の大きな寄せ書き。
神山famという昔流行った懐かしい言葉。
貼られた制服姿の智洋くんと女の子のプリクラ。
それに落書きされた《智洋だいすき！》という文字。
所々に書かれた友達からの
これからも楓と幸せに！や
楓と結婚しろよ〜！なんていう文字。




あぁ。
智洋くんは私にこれを見せたくなかったんだ。
そして私も。見なきゃよかった。
すごくすごく可愛い、楓さん。
智洋くんの幼馴染って言っていた子だ。



やばい。泣きそう。
見るなって言われたのに。
見た私が悪いのに。
26にもなって馬鹿みたいな、嫉妬。





「だから見せたないって言ったやん。」


「ごめん、、、。」


「大学3年までの約4年間付き合っとったけど。
今は何とも思っとらんし。今はAだけ。」



そう言って私を抱き締めてくれる智洋くんは
ほんとにどこまでも優しい。
今回は完全に私が悪いのに。






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