はちみつ。 ３

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「なんだお前は！」





「それはこっちの台詞やで。
噂には聞いとったけどお前ほんま最低やな。」





「俺にそんな口聞いて良いと思ってるのか？」





「今の事は、上に報告させて貰いますね。
こんなのが続くならこちらも考えます。」







私を抱きしめたまま
口論になっていた神山くんと京泉さん。









「…っ、急に抱きしめたりしてごめん。」





「か、神山くんっ…！」








神山くんは突然少し寂しそうな顔をして
私から離れ、京泉さんを外に連れて行った。






危険なところを守ってもらって
久しぶりに抱きしめて貰ったのに…。
また他人行儀に戻ってしまった神山くん。






怖かった、助けてくれて嬉しかった。
なのに神山くんにまた突き放された今の方が
怖くて悲しくてたまらない…。









「柴崎ちゃんっ！！！大丈夫！？！？」







息を切らした前田くんが
先程の場所から動けない私の元へやってくる。








「前田くん…。迷惑かけてごめんなさい。」





「そんな事ないよ！！
ごめんね、俺も気づかなくて。
今神山に聞いて…。遅くなってごめんね。」





「ううん、来てくれてありがとう。」





「俺今からお昼休憩だから、一緒にいよっか。」





「ごめんね…ありがとう。
あ、でもご来場プレゼント運ばなきゃ…。」





「それは他の人に任せるから
柴崎ちゃんはとりあえず休もっか。
今休憩室誰もいないから大丈夫だよ。」





「前田くん、ありがとう。」







優しく微笑んで頭を撫でてくれる
前田くんの優しさが今は辛かった。
気をつけるように忠告されていたのに
自分で勝手に大丈夫だと決めつけて
結局迷惑を掛けてしまった…。
そんな自分がなんだか情けなく感じた。







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