はちみつ。 ３

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「俺、髪短いA見てみたいわ。」






「やろ？Aちゃん絶対短いの似合うで？
それは私が保証する！」






「…けど、私ミディアムとか小学校低学年ぶりで。」






「美容師の私が言うんやから大丈夫。
骨格とか短いの絶対似合うもん。
あと、美人はロング以外も似合うんやで？」





「美人なんかじゃないです…。」





「確かに。」





「望！アホ！」







プロの聖奈さんに短いのも似合うと
断言され気持ちは更に揺れる。
私の言葉に肯定するのんちゃんに
慌てて怒る聖奈さんの姿が可愛かった。





多分相思相愛のはずなのに
友達みたいな2人の関係はもどかしいけど
淳太くんといた頃は言いたい事も言えない
そんな情けない自分じゃなくて
2人みたいになんでも言い合える人と
付き合いたいな…と思う。







神山くんが、結婚してしまったら。
そんな相手と出会えるのかな…。なんて。
考えないようにしていても色んな場面で
私の頭の中には神山くんが現れる。






まさか自分がこんなに重い女だったなんて。
……結構重症かも。







「……聖奈さん、髪の毛
やってもらっても良いですか？」




「もちろんっ！！
今と比べたら結構短くなっちゃうけど
ほんまにええの？？」




「はいっ！イメチェンしたいです。」




「3月の研修で神山に会えるんやもんなぁ！」




「のんちゃんうるさいっ！」




「モデルやって欲しいのが、3月半ばなの！
研修間に合うかな…？？」




「研修は3月の終わりなので、是非！」






よく、失恋したら髪切るとか言ってたし。
イメチェンすればいい運も訪れるかもしれない。
……神山くんも、少しは目に留めてくれるだろうか。






マツパも、カットモデルも。
すごく良いタイミングで声を掛けて貰えて良かった。
のんちゃんに再会出来た事で聖奈さんから
色んな提案を貰えて、本当に良かった。





菫さんと崇裕さんにも、お礼しなきゃ。







のんちゃんと聖奈さんと別れ
先程と同じく一人になったけど
不思議と辛くはない。
なんだか今は清々しい気持ちだった。








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