はちみつ。 ３

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「せっかくともくんがくれたんだもん
早くインスタ載せなきゃ〜♡」






写真を撮って慣れた手つきで
文字を打ち込んだる坪内。







「瑠美ちゃんってインスタで
同期と繋がってるの？」






森下の発言にドキッとした。
……Aちゃんは見てるんやろか？







「同期は2人だけだよ〜！舞香ちゃんと〜」






舞香さんが見てるんや…。
まあお土産程度で俺だなんて分からんやろ。






全くもってやましい関係やないけど
勘違いされたら嫌やなあ…って。
結局中間さんに言われても
俺はAちゃんの事が好きなんやろな。









森下も坪内も一応同じ支社の同期やし
集まれば会社の話で盛り上がる。
社内での恋愛沙汰や上司の愚痴
今後受け持つ企画の話など俺の知らん所で
起きてた事なんか知れて面白かった。







《話したいです。会えませんか？》






そんな時に、届いた１つのLINE。





久しぶりのAちゃんの名前に
心臓がギュッと締め付けられた。







俺やって、会いたい。話したい。






やけど。






坪内に結婚するって聞いて
実際中間さんと仲睦まじい姿を目の当たりにして
先日中間さんから言われた、あのセリフ。





これだけ揃っていて
結婚しないって事、あるか？






……ないやろ。






俺が幸せにしてあげたい、なんて
厚かましい事考えてたけど
結局俺は俺の事しか考えてへんやん。





会って結婚報告を聞いて
『おめでとう』って言ってあげられる男が
ほんまは格好ええんやろうけど。
顔見たら、絶対言えへん。
Aちゃんが心から幸せになるためには
俺とはもう会わん方がええねん。







《ごめん、しばらくはほんまに時間ないねん。》






こんな嘘ついて、Aちゃんから逃げて。
自分が最低なのは分かっとる。







俺の中でちゃんとAちゃんの事吹っ切れたら。
その時は報告も受けるし、笑顔で祝うから。
こんな自分勝手な俺なんかに構わずに
中間さんとちゃんと幸せになってや…。








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