はちみつ。 ２

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神山くんに付いて行って降りた駅は下北沢。






「シゲさんって、下北に住んでるの？」




「せやで！」




「わ〜下北か〜！懐かしいなぁ。」




「バンドマンの聖地やもんな。」




「うん、暁のライブでも下北沢何回か来てるんだ。」




「なんかちょっと憧れるわ、下北沢。」








下北沢 ただ地名の話をしてるだけなのに
私が言いたい事を汲み取ってくれる。
同じ趣味だからこそだけど
なんだかとても嬉しく感じる。







「寒いからはよシゲん家行こうや。」







そう言って私の手を取ってくれる神山くん。







「流石に下北なら誰にもバレないやろ？」







なんて少し意地悪な感じで笑う神山くんのその顔も
私を夢中にさせてしまう一つの原因なのだ。





掴まれたこの手を離さなきゃいけない理由はある。
けど、今はまだ離したくないと思ってしまった。







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「神ちゃんいらっしゃ〜い！！
Aちゃん初めまして！重岡大毅って言います！」





「はっ、はじめまして！柴崎Aです！
今日はお邪魔してしまってすみません！！」







怖いくらい笑顔のシゲさんに少し戸惑った。






「Aちゃん硬い硬い、いつもの感じでええやん。
シゲ怖い人ちゃうで？」





「う、うん…。」





「まぁすぐ慣れるやろ。
シゲ、奈美ちゃんお邪魔します。」







私を落ち着かせる言葉をくれて
私の頭を優しく撫でてからきちんと靴を並べて
お部屋に向かおうとする神山くん。








なんか、それが本物の彼氏みたいで。
すっごいドキドキする。








「おい！奈美！」





「大毅！やばい！」





「神ちゃんめっちゃええ彼氏みたいやん！」





「私も思った！！とも、めっちゃ良い彼氏じゃん！！」






「……はぁ！？やめろや！Aちゃん困るやろ！」








私が神山くんに対して本物の彼氏みたい…
って勘違いしそうになった行動が
シゲさんにも奈美さんにもそう見えたみたいで。






神山くんの大切なお友達にも
そういう風に見えてるなんて
まるで彼女の様に大事にされてるみたいで
嬉しいと思ってしまっと同時に
シゲさん達に茶化されて照れてしまっている
神山くんがすごく可愛いと思った。






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