四十一話 ページ7
sideツナ
「……ムリしないでくださいねー。」
そう言ったAの瞳は。
どこか少し悲しげで、…まるで、オレの言ったことが嘘だと気がついているかのようで、思わず、ドキリとしてしまう。
…そ、そんなわけないよね！
そう自分に言い聞かせ、自分の中で生まれた後ろめたいという感情を見ないふりをして。
オレは、次に言おうとしていたことを焦りを覚えながら口に出す。
「ちょっと保健室行ってきていいかな？」
「しょーがねーよ。」
「5人になっちまうけど。」
「行ってこいよ。」
「…………………。」
大成功！悪いけど、帰らせていただきます。
黙っていたAのことが少し気にかかり、自分の中でひとり、言い訳をする。
ーーーどうせオレがいたってみんなの足を引っ張るだけだ。
ーーーそもそも、なんでオレを誘ったんだ？運動オンチなのは知ってるだろ？たった一度センパイに勝っただけなのに。
“たった一度センパイに勝っただけ”
……だけ、か。いや、そんなことはなかった。あれはオレの人生にとって誕生日とか恋とかに次ぐ、大きな出来事だった。今でも夜ベッドに入って目を閉じるたび、あの日のことを鮮明に思いだせる。
不意に、クラスメートの腕に目がいった。
……ん？傷？
他の、同じチームのメンバーを見渡すと……
みんな、傷だらけだ。
「どーしても勝ちたいんだ。」
「オレたちゃマジでやってんだよ。」
そんなクラスメート達の声が、フラッシュバックした。
…そんな中、あることに気づいた。
Aの傷だけはどこか新しく、包帯などが巻かれていなかった。
はっと、試合中の時のことを思い出す。
…オレ、自分のことで精一杯で、必死でオレのことをフォローしてくれてたAに、全然気づいてなかった。
「ほら、早く行ってこいよ。」
「ムリなら休んでいいからな。」
「ん…じゃあ。」
波が押し寄せるように後悔しながら、いたたまれない気持ちになって、体育館の扉へと重い足を進める。
「何だ〜？」
「また早退じゃねーの？」
「やっぱダメだな、あいつ。」
そうだ……オレはダメツナだ。
何をやってもダメダメの、ダメツ…
ドガンッ
突如、体育館に物が壊れるような大きな音が響きわたった。
…ひと目でわかった。Aが、置いてあったボールを手に取り、体育館の壁に向かって思いきり投げたのだ。
その証拠に、壁にはくっきりとボールの形の穴が空いていた。
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夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - seraさん» ありがとうございます！ (2018年11月20日 17時) (
レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - アドバイス、夢さんのボードの方に書かせて頂くのでよろしければそちらを見てください。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 弥生さん» ありがとう！！今回はハロウィンのに比べて糖度低めになると思うけど完結は約束するぜ！！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - ポッキー!!!頭のなかで二人の光景が思い浮かんでさらに爆笑していた(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)夢ちゃん頑張ってね(*´∀｀*) (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f48ec4925 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 美香さん» フラグついたのはこちらだけなのでおそらく違うと思われます。コメントありがとうございます！！ (2018年11月8日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ | 作成日時：2018年10月14日 8時
