◆弱っていても＊shp ページ4
久しぶりに彼の帰りが遅い。頑張って起きていたものの、眠気には叶わず『先に寝るね、おやすみ』とLINEを送って床についた。
しばらくしてゆさゆさと体を揺さぶられているような気がして目を開けると、泣きそうな顔をしたショッピくんが覗き込んでいた。
｢ショッピくん……？｣
shp｢起こして、すみません。でも、ちょっとAさんに抱きしめて欲しくて……｣
｢ん、いいよ。おいで｣
体を起こして腕を広げると、ぎゅ…と抱きしめられた。ぽん、ぽん、と背中を優しく叩く。ぐす…と鼻を啜る音が聞こえて、何かあったんだなと察した。
shp｢Aさん、もっとワガママ言ってもいいっすか｣
｢もちろん、いっぱいワガママ言って｣
shp｢…俺の名前呼んで、好きってたくさん言ってください……｣
普段の彼とは違う弱々しくて、小さな声に胸が締め付けられる。辛くなったときに私をすぐに頼ってくれるのが嬉しくて愛おしい。
｢ショッピくん、好き。大好き｣
shp｢もっと…｣
｢好き。ショッピくんが大好き。全部、大好き｣
shp｢……俺も好きっす｣
｢十分伝わってるよ。ショッピくん、だいすきだよ。頼ってくれて嬉しい。ありがとう｣
彼の抱きしめる力が少しだけ強くなる。頭をよしよしと優しく撫でると、小さな嗚咽が聞こえてきた。
shp｢こんなっ、情けないとこ、見せたくなかったのに、我慢できんかったんや…｣
｢気にしなくていいんだよ。頼ってくれて嬉しいから｣
shp｢なんで、そんな優しいんすか……｣
普段、支えてくれている彼を逆に支えられているという事実がこの上なく嬉しい。髪に優しくキスを落として、無言で撫で続ける。しばらくして、落ち着いた彼が腕を離した。前髪で隠れていて表情を見ることが出来ない。
｢ショッピくん。こっち向いて｣
shp｢情けない顔してるから、いやや｣
｢気にしないから。ちゅーしたい｣
頬を優しく手のひらで包んで、こっちを向かせる。まだ涙の粒が残った彼の瞳と至近距離で目が合った。ちゅ、と触れるだけのキスをして、おでこをこつんと合わせる。
｢ショッピくん、好きだよ｣
shp｢俺も、Aさんが好きっす……｣
2人で笑いあって、抱きしめながら眠りについた。
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作者名：ゆう
| 作成日時：2021年10月11日 0時
