【d!】必要とされたい【短編集】 (ページ3)

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〇言葉にして＊kn ページ3

｢好き｣
kn｢おーそっか、俺もやで｣
｢うーーちがーう！！｣

コネシマは、絶対に｢好き｣と言わない。言って欲しいし、本当に好きなのか分からなくなるから言葉にしてほしいのに。

｢なんで！言ってくれないの！？｣
kn｢は？｣
｢好きって言わないじゃん！｣
kn｢あー、言葉にしんくても…｣

ぐっ、と頭を近づけられてちゅ…と唇が重なる。キスは嬉しいけどそうじゃない…！と思ってむすっ、としていると頭にはてなマークを浮かべたコネシマ。

kn｢1回じゃ足りんのか？｣
｢う"う"ぅ……ちがくて…｣
kn｢…なんでAは言葉にしてほしいんや？｣
｢だって…安心するから…｣
kn｢そんなんキスでも変わらんやろ｣
｢言って欲しいのが女の子なの！｣

コネシマは、わからん、というように首を傾げてしばらく考え込んだ。そんなとこもかっこよくて、心臓が高なるくらい好きだからずるい。

kn｢好き……言葉より行動の方が分かりやすいやろ｣
｢そんなこと言ってると振っちゃうよ！！｣

えっ、と言う困惑した声が聞こえてくるが、無視してそっぽを向く。視界の端にどうしていいか分からなくて、空中をさまよっている手が見えた。

kn｢あのなぁ……好きって俺が言わんのは、理由があんねん｣
｢理由って何？｣
kn｢あ"〜くっそ、好きって言葉じゃ表せないほどAが好きなんや｣
｢は…え…｣
kn｢恥ずかしいとかやないねん。愛してるとか好きを言い過ぎると、それが薄っぺらく感じるから嫌やねん｣

頭をがしがしと掻きながら、真剣な顔で伝えてくる。真っ直ぐな目に嘘はついてないとわかった。

kn｢こんなに大きい気持ちを抱いたのは初めてなんや。せやから、嘘でも振るなんて言わんといて｣
｢…！シマ…！｣

ぎゅ……と包み込むように抱きしめられる。とくん、とくん、と少し早い鼓動が聞こえてきた。

kn｢ちゃんと、好き、やで｣
｢シマ……私も、好き｣

腕から開放されると、至近距離で目が合って胸が高鳴る。どちらからともなくちゅ…と優しくキスをした。

今後は、好き、を強請らないようにしようかな。