【d!】必要とされたい【短編集】 (ページ14)

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〇お前は偉いやつ！＊sha ページ14

(sha side)

同棲中の彼女のAの愚痴を聞く。彼女の口から零れ落ちてくるのは他人へのものもあるが、圧倒的に自分の出来なささ不甲斐なさのものが多い。

sha「今のAにどんな言葉かけていいのか分からへんけど、これだけは言えることを言わせてもらうで」
『え…？』
sha「それだけ頑張ってるAは偉いんやで！！」

目の前のAの頭をわしゃわしゃと撫でる。やめ、なんていう彼女の瞳にはじわりと涙が浮かんでいて、少しだけ胸が締め付けられた。

sha「Aが自分のこと卑下するなら、俺がいーっぱい褒めたる！」
『う、でも、私……』
sha「でも！ちゃうねん。俺の言葉は素直に受け取り？な？1番近くでAのこと見てんの誰やと思う？」
『それは、シャオロン…だよ』

彼女の言葉にうんうんと大きく頷いて、零れそうな涙の雫を拭う。上を向いた彼女と目が合って、にっこりと微笑んだ。

俺の笑顔を見て、みるみるうちにAの顔が歪んでいく。ぼろぼろと落ち始めた涙は、きっと彼女の悲しみを落としていると信じて、ぎゅぅと抱きしめた。

sha「いーっぱい頑張ってて偉いAが素直になっていいとこはここって覚えといてや」
『うん、ありがとう…』
sha「ん！その代わり俺がしょげたときはAが1番の味方になってな？支え合って生きてこうや」
『うん！もちろん、私が1番の味方になるよ、』

腕の中ですすり泣く彼女の頭を優しく撫でる。俺の一番大好きな子。頑張り屋のとっても偉い子。俺のそばでは肩の力を抜いて、きちんと休むんやで。