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「上がったでー」
「んー…おか＿＿」
えり、とまでは言わずに動きがピタッと止まる
やはりこの格好はマズかったか…
「………〜〜あんなぁお前!!そんな格好で男の前で平然と歩いとったらいつか貞操失うぞ!?」
「ちゃう待って、ごめん。普通に服忘れとってん」
今現在の格好はタオルを体に巻いているだけの状態
もちろん、普通に下着は着ているが上の服を忘れてしまっていたのだ
普段家に人を上げることなんてないから、気付かなかった
「でもどうせ誰かさんみたいに貞操奪ってくれる相手なんて一生できひ＿＿＿＿」
そう厭味ったらしく言いかけたところでピタリと止めた
……。
「………なんか合ったんやろなってゆうんは予想しとったからそんな顔せんといてーや。何でも聞くし」
なんでも聞いたるから、泣かんといて。
…今までで泣いたことがあるのはシッマと殴り合った小学生のときのあの1件だけ
今更私に助けを求められても、話を聞いてあげることしかできない
「どうせ明日は日曜やし、何時間でも付き合ったんで」
「……実はさ＿＿＿」
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「＿＿＿不倫…か」
正直、不倫というワードを聞いた時耳を疑った
まさかあの温厚なみれいが不倫するなど考えたこともなかったからだ
一瞬嘘でも何の冗談なのだろうと考えたが、本当に辛そうな姿から疑う気も失せた
「…やっぱみれいに直接聞かん限り分からんな…」
「やっぱせやんな。聞いてみるわ……改めて言うけど、ほんまにありがとうな。いきなり家泊めてもらったあげく悩みまで聞いてもらって」
「やからほんまにええって!!気にすんなよ。そんなもん」
「…うん」
できるだけ明るく振る舞っているつもりだったが、ショッピのテンションは相変わらず低い
…どうにか気を紛らわせるために…
「…!ショッピ、久々にあのゲームせえへん？」
子供の時、一緒によくしていたゲーム
……そして私がショッピに勝てたことのないゲーム
ショッピは、重そうに首を縦に振った
「よっしゃ!!私だいぶ鍛えたし今回こそは勝てる気ィすんねん!!」
「…ふ、勝てる訳無いやろ。お前いっつも1分持ってへんかったやん」
「そんなん10年前の話やから分からへんやん！負けた方が今日ベッドつこて寝よや!!」
「何やねんそのしょーもない賭け……まあ俺が勝つけどな」
そう、先程よりも明るい表情を見せてはにかんだ
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作者名：ﾍｰﾃﾞﾙﾄｸﾞﾚﾃｰﾙ | 作成日時：2024年2月25日 21時
