歯車が外れた【shp】 (ページ14)

今日:146 hit、昨日:77 hit、合計:4,970 hit

14 ページ14

,

「…………ｯｯ、！は…、ちょおまえ…何して、」

首に顔を埋めた途端にチクリとした痛み
それも、何回も

「シャオロン、ｯ離して、ほんまにっ！」

「……………………」

何を言っても聞く耳を持たないシャオロンを思い切り突き飛ばす
シャオロンは、数歩後ろへ下がったあと、またいつものような明るい笑みを浮かべてみせた

「……なあ、A。どうしたん？そんな息荒くして…キスマつけただけでそんな興奮するとかさぁ」

やっぱりヤりたいんちゃうの、そうとんでもない爆弾発言を落とした
私は本能的に首を自分の手で隠してシャオロンのことを睨みつける

「そんな睨まんといてぇや。」

「…………しばらく近づかんといて」

「えー、無理やな。そんなもん。俺から避けんねやったら全然公衆の前でもキスするけど」

「……そんなことしたら今までの周りからの好感度一気にガタ落ちやぞ」

「そんなもんいくらでも言い訳ぐらいあるわ。“今までの周りからの信頼”も厚いから」

「…ｯ…シャオロン…、お前歪んでんな」

「一途って言うてぇや。前の彼女はなんでか知らんけど引っ越して逃げてもうたし」

俺これでも今までで好きな人Aが2番目やで？と自慢げに言ってみせる

…………きっと前の彼女は表面のシャオロンしか知らなかったから付き合ったのだろうけど、裏の顔を見て…耐えられなくなったのだろう

愛が重すぎる故の問題

「まあもう気づいてるとは思うけど俺Aのこと好きやしずっと猫被ってやってきたんやで？それを踏みにじるんは良くないなぁ……」

今度は先程以上の笑みを浮かべたが、その顔は酷く不気味に見えた
それに思わず背筋にゾクゾクとした感覚が走る
…今までこんな奴と一緒に居たとは

「まあ、ずっとこんなことしとったら昼休憩終わってまうし行こか」

「…………ん」

変な動きを見せればそれこそ厄介な羽目になる
今はただ慎重に、“いつも通り”に過ごさなければ。

…これ以上、歯車が外れないように

,

「……そんなことあってんな」

「うん……その同僚やっぱおかしいよな」

「愛重すぎるわな」

「ん……」

土曜日、ソファに座ってショッピに話す
今日は女性の日のため、ただ普通に話をするだけ

ショッピはちゃんと最後まで真剣に聞いてくれた
それに涙さえ出そうになる
けれどそれをグッと堪えてショッピに子供のように無邪気に笑いかけてこう言った