検索窓
今日:8 hit、昨日:11 hit、合計:386,043 hit

42 ページ1

あれから2日ほど経った日

─ピンポーン


夜中の1時頃になったチャイム
こんな時間に誰かが訪ねて来るはずがない
恐る恐る玄関前に繋がるインターホンを覗く

「なんで…」

会いたくてたまらなかった愛しい人
その人が玄関前にいる。
このまま臣の腕に飛び込んですがりついてしまいたい

世莉さんに蹴られた事
脅されている事
全てを話して臣のその逞しい腕に守られたい。
きっと臣は全力で私を守ってるだろう

でもそんな事は許されない。
しばらく経っても動かない臣
電気がついている為
私がいる事はわかっているのだろう。

寒くなってきたこの頃
こんな夜中の寒い中これ以上
そこに居ては風邪を引いてしまう
渋々玄関のドアを開けた


臣「A…」

腕を引かれるとすぐに抱き寄せられた体
一瞬にして臣の匂いに包まれる
少しやつれた?
目の下にクマまでできている。


臣「なんで電話も繋がんねぇんだよ。ラインもブロックされてるし」

いつもの臣からは想像できない程弱々しく
母親に置いていかれた子供のような不安げな表情

「なんで来たの」

臣「世莉との事話したかったから。確かに訳あって毎日俺んちに来てるけどもう俺の中では終わってるし世莉に触れる事もしてねぇから」

私に会いに来てくれた事が嬉しくて
臣を受け入れてしまいたくなる
でも私には突き放す事しかできない。


「臣…私ね好きな人が出来たの。一般の人、臣が私に与える事のできない普通の幸せをくれる人」

正直普通の幸せなんてわからない
臣が私にくれる全てが幸せだった。

臣「嘘だろ?誰だよそいつ、絶対Aは渡さねぇ」

嫉妬に狂った臣
そのまま玄関の壁に押し付けられて
唇を塞がれる
私の息苦しさなんて無視した身勝手なキス
そんなキスでさえ愛しく感じてしまう私も
臣に狂ってしまったのだろう。


「帰ってっ…」

臣を押し離して
そのまま全力で臣を玄関の外に押し出す


「臣…ばいばい」

そう言いながら閉めたドア
最後に見えたのは
綺麗な涙を一筋流しながら
苦しい程切ない表情の臣だった。

43/臣side→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (430 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
729人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Ayaka(プロフ) - 愛菜さん» コメントありがとうございます\(^^)/それも含めての運命なのかなと思います笑また新作もありますのでよろしければそちらもチェックしてみてくださいね! (2016年11月16日 7時) (レス) id: af7111a19c (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - おはようございます。お話読ませて頂きました。無事に2人が結ばれて嬉しかったです!!最後の2人が出逢うシーンはまさに運命な感じでしたし↑↑けれど自分的には友人さんの手引きがあったのではと思っていたり?(笑)更新ありがとうございました。 (2016年11月16日 6時) (レス) id: 7da404dcb0 (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - あやまるさん» おお!ありがとうございます\(^^)/すごく嬉しいお言葉!新作なんどありますのでぜひ読んでみてくださいね(^^) (2016年10月31日 13時) (レス) id: af7111a19c (このIDを非表示/違反報告)
あやまる(プロフ) - めっちゃ感動して泣きそうでした(´;ω;`)ウゥゥ何回も(´;ω;`)ウゥゥ (2016年10月31日 13時) (レス) id: 9ab7775889 (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - リナさん» コメントありがとうございます!これからもご期待に添えるように頑張りますので応援よろしくお願いします\(^^)/ (2016年10月26日 22時) (レス) id: af7111a19c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Ayaka | 作成日時:2016年10月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。