高嶺の花 3

仲直りの電話 ページ29

こんなことに振り回されて悩んで
sayuさんの思惑にハマっただけだって気付けば
今まで悩んでた事と悩んでた自分がバカらしく思えてくる。


「…ごめん、怒ってる？」


話さなくなった私を怒ってると勘違いしたのか
様子を伺うような剛典の声が耳に届いて
怒ってないよって答える。


将来の事とかsayuさんの事とか別れようとまで思ってたはずなのに
こうやって剛典の声を聞いてしまえば
一気にまた気持ちは戻されて結局別れるなんて出来ないんだよね


「…会いたいなぁ」


そんな事考えてたら
自分でもびっくりしたくらい言葉が勝手に口から出てきた


「迎えに行くよ、家に居るの？」



私が実家にいるなんて知らない剛典はいつもの感じ


「あっ、言ってなかったよね。私実家に帰って来てるの」


「実家？…まじかぁ」


「明日には帰るつもりだから家行ってもいい…？」


「ん、待ってる」


電話切った後会いたいなーって気持ちが消えなくて
ダラダラしてるお姉ちゃんにやっぱ日帰りで帰らないって提案してみたけど却下
お姉ちゃんの車で来たから1人じゃ帰れないし
あー…もうっ


「仲直りしたの？」


「一応…うん」


「会いたくなって帰りたいって？」


「声聞いたら会いたくなったんだもん」


「うわっ、まだ喧嘩続行中の姉の前で普通に惚気ないでよね。絶対帰ってあげない」


「お姉ちゃん達も早く仲直りしなよ。謝って早く帰ろ」


「えー、絶対やだ。私悪くないもん」


「そんなこと言いながら八割悪いのお姉ちゃんだからね」


私の抗議も虚しくお姉ちゃんは帰る気なんて更々ない様子

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