高嶺の花 3

ご馳走様でした ページ3

お母さんよっぽど楽しかったみたいで
普段あんまりお酒飲まないのに
今日はたくさん飲んでた。


こういう時くらいはいいの！って調子乗ってたけど
明日大丈夫なのかな…


食事代は当たり前の様にスマートに剛典が出してくれてた。
本当いつ払ったの？って言うくらいに。


歩いてもそんなにかからない距離のお店から
3人並んでマンションまで戻って
その間もお母さんは剛典の隣をキープ。


お母さんを挟んで見える剛典の顔は優しくて
上機嫌に話してるお母さんの話を
ニコニコしながら相槌混じりに聞いてくれてる。
そんな2人を見ながら私はなんか変な感じ。


まさか剛典とお母さんが会うなんて思ってなかったし
こうやって一緒に外を並んで歩けるなんて思ってもなかった。



もし剛典と結婚したら…こうやって親の事も大切にしてくれるのかななんて
そんなふわふわした妄想も頭を掠めて。


「がんちゃん今日はご馳走様。会えてほんとによかったわ。私は先に部屋に上がっておくからゆっくり話してきて」



空気を読んだのか先に部屋に戻ったお母さん
マンションのエントランスのちょっとしたスペースで
私と剛典は並んで話す。


「今日はご馳走様でした。お母さん喜んでたみたい。あんな楽しそうな所見るの久しぶりだった」


「いえいえ、どういたしまして。お母さん居た時は焦ったけど会えてよかった」


「焦ってたの？全然そんな感じに見えなかったけど」


「彼女の親にいきなり会って焦らない人なんている？予想外だったし一瞬ですごい緊張したけどAのお母さん優しい人でよかった」


「うちのお母さんデリカシーなくて色々聞いちゃってごめんね。」


「全然。あれくらいどうってことないよ」


やっぱり剛典は優しいな
お母さんに会ってもらえてよかった

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