高嶺の花 ２

なくなった荷物と置かれた宣戦布告 ページ39

剛典のマンションへ2人でやってきて
疲れてるだろうからゆっくりお風呂入ってきてって
剛典をお風呂へと向かわせて
あの荷物があったはずのクローゼットを開く。

私の予想通りその荷物は跡形もなく消えてて
まるで最初からそこにはなにもなかったかの様に
スーツケースが置かれてる


やっぱりあれは私の気のせいなんかじゃない
剛典は私の所に来る前にsayuさんに会ってたんだ



なにかあったかはわかんないし…
荷物返しただけなのかもしれない。
でも剛典が私へ嘘をついたことが心を影らせる



「Aー！！」



浴室から大きな声で呼ばれてハッと我に返って剛典の元へと向かう
浴室のドアな開けないまま脱衣所まで行って
そこから返事して


「ごめん！シャンプーの替え取ってくんない？棚の上にあるから」


「ん、わかった」


シャンプーの詰め替えを取って剛典の身体が見えないように手だけ突っ込んで渡す
そんな私になに恥ずかしがってんのなんて笑ってるけど
あーゆー時に見るのとは訳が違うから恥ずかしいじゃん


何気なくリビングへと戻ろうとしてると
なにかがキラリと光った気がして
そこへと目を凝らす


洗面台の横の小さな一角
私が使う化粧水とか乳液とか置いてる場所には
私のものではない大振りなピアス。
嫌味なくらい輝いててそこで存在を主張してる。


この場所を見るのは私だけだってわかっててここに置いたんだ。
恐らくわざと置かれたであろうそのピアスはきっと宣戦布告の証
まるで剛典は渡さないとでも言われてるかのように光り輝いてた。

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