高嶺の花 ２

大雑把 ページ16

誰が座るかわからない高そうなソファーや
豪華な花が生けられてる大きな花器が飾られた
広々としたエントランスを抜けて
エレベーターに乗り込んで向かったのは上層階


こういうマンションって上の階に行けば行くほど
高いんだよね…
当たり前なんだけど
私の住むマンションとは全然違くて
改めてすごい人なんだなって


「広ーい！私の部屋の何倍あるんだろ」



案内された岩田さんのお部屋はすごく広くて
大きな開放的な窓からは東京タワーまで見えてる。
夜はすごい夜景綺麗なんだろうな



「ごめんね、ちょっと散らかってるけど」



内装的には綺麗だしインテリアもオシャレなのに
そこらへんには服や靴下が散乱してて
岩田さんらしいと言うかなんと言うか…


私の先へと歩く岩田さんは
リビングに向かいながら下に落ちてる洋服を拾って
その拾ったものを洋服や靴下で出来上がってる
こんもりとした山にポイッと投げて
これ…絶対片付ける気ないでしょ


「ソファー座ってて？飲み物用意してくるから」


岩田さんはキッチンの方へと消えて
私は見るからに座り心地の良さそうなソファーに座って



「あ、なんか踏んじゃったかも」


ソファーに座った瞬間お尻でなにか踏んだ気がして
下敷きになった物を引っ張り出してみる


「えっ！なんでこんな所に…」


私の手にはブラーンとバナナの皮
岩田さんさすがにこれはゴミ箱に捨てようよ
社内でも数々の岩田伝説は聞いた事あるけど
まさか自分も体験するなんて


学歴も家柄も顔もスタイルもよくて完璧なのに
意外とこういう所抜けてるって所が
また母性本能くすぐるんだろうなー…



「あー！ごめんね、服汚れなかった？昨日バナナ食べた後そのままにしちゃってたかも」


キッチンから戻ってきた岩田さんの手に
バナナの皮は奪われて今度はちゃんとゴミ箱へ

でもねゴミ箱も溢れそうなくらいいっぱいなの



「…岩田さんお掃除させてもらってもいいですか？」

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