トサカふうふ２

マスター ページ5

「お久しぶりですね。お二人ご一緒に来ていただけて嬉しいです」



注文しなくてもあの頃の
私たちのお気に入りのお酒を作ってくれる


カウンターの壁際に座る私と
その左隣に座る臣

臣が初めて私に声をかけたあの時と同じ席



臣と付き合うようになって
生活スタイルが変わって
なかなか来られなくなって本当久しぶり


前来たのは臣と付き合い初めてからだっけ


「ここに来たらなんかホッとします」


「そう言っていただけて光栄です。いつでも私はここでお待ちしておりますよ」


そんな臣とマスターのやり取りを見つめながら
作ってくれた綺麗なカクテルを一口飲むと
甘酸っぱくて爽やかな味わいが口に広がる



「これは私からのサービスです」


マスターが出してくれたのは
私が毎回頼んでたチーズの盛り合わせで
そんな細やかな気配りに心がほっこりする



「実は僕達結婚したんです。マスターに報告したくて」


「それはおめでとうございます。お二人は心の奥底から深い絆で繋がってるんですね」





「実は…お二人が初めてここでお話された日私には二人の間に赤い糸が見えました。それが今は青い糸に変わってます。青い糸…ご存知ですか？」


赤い糸はよく聞くけど
青い糸は聞いた事がなくて
マスターの問いかけに首を横に振る


「赤い糸は運命の恋を表してます、青い糸は心を癒し合う互いを繋いでます。きっとお二人はいいご関係なんでしょうね」






運命の場所での
シルバーヘアーの似合う
ダンディなマスターのロマンチックなお話

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