Two of Destiny

8/臣side ページ10

何故か一日中あの人の事が頭から離れなかった

今までこんな事なかった
こんなに誰かの事を考えるなんて初めてだ。

名前も年齢も知らない。
どんな仕事してるかも知らない。

繋がる手段なんて
あの店に行くって事しかなくて
隆二の誘いを断り1人であのバーに行く。

バーに入るとカウンターに座る1人の女性
あの人だ。

隣いいですか？と平然を装って隣に座る

一瞬なんで隣に来るのって顔をするその人
笑ってしまいそうになるけど必死に堪えた。

まずは名前を聞く

Aって言うんだ。
一夜を共にしても女の名前を覚えてないなんて
たびたびな俺
でもAの名前は忘れない気がした。

昨日の事なんてまるでなかったかのような様子のA

俺の事知らねぇのか？
わざと昨日と言うワードと
俺の事を知らないのかと尋ねる。

別にファンじゃないのでと言うA
でもすぐにしまったって顔をしたAは
慌てたように取ってつけたような褒め言葉を言う。

やべえ、おもしれえ

今まで俺の周りには居なかったタイプ

はっきり言葉を伝えて強い意思を感じさせる目
それなのに可愛いベビーフェイス。

俺の周りには雑誌から飛び出してきたような
魅力的な女達はたくさんいる

でもそんな女たちとは違う魅力を放つ人
きっと内面から放つものだろう

Aの横顔を見て珍しくドキドキしちゃってる俺

中学生かよ笑

次に繋がれるようにしねぇと思い
電話番号を聞く。

それをキッパリ断るA

それさえもダメなのか、
まじかよなんて思い呆気にとられている間に
自分の飲んでいた分よりも多めにお金を置いて
バーを出ていくあの人

そんな後ろ姿を見送るしかできなかった俺。

臣「だっせぇー…」

1人でそう呟くと残ったカクテルを飲み干し

着信履歴から彼女の番号を呼び出して
今から行くからとだけ伝えて電話を切ると
彼女の家へと向かった。

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