変化 ページ6
あれから数ヵ月。
ドラマやアニメにイベントと目まぐるしく日々が過ぎていき、気付けば年末に差し掛かろうとしていた。
あの翌日、私は川西さんに通天閣に案内して貰った。
単純に行ってみたかった。
通天閣に行って、お昼を食べて、少しプラプラして東京に戻ってきた。
川西さんは親切で、ホームにまで送ってくれて。
それだけ。
特に連絡先を交換したわけでもない。
本当に大阪見物をしただけ。
ただ、この忙しさの合間に思い出すのはあの日のこと。
もう少し話をしていたかったなぁとか
もう少し一緒にいたかったなぁとか
そんなこと。
また会いたいなぁと思う、このモヤモヤはなんだろう。
そんな事を、ただひたすらに綾部くんに話す。
ひとしきり言い終わった後、ニヤリとした笑みで
綾部「それを一般的には恋って言うんじゃないかな」
その一言を残し、明日が早いからと帰っていった。
それから意識をするのには時間はかからなかった。
ただ、恋の始め方を知らない私にはどうする事もできない。
例え、連絡先を知っていたとしても自分からは送らないという、変な自信もあるし。
一つわかっていることは、恋ってこんなモヤモヤしたものだっけかと言うこと。
初恋の時とは全く違う。
これが恋だと言うのなら、あの初恋は恋に恋い焦がれてるだけのやつだったのだろうか。
憧れみたいな。
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作者名:美音 | 作成日時:2019年2月28日 16時