繋がり ページ11
川西side
お開きになり店を出た後は解散。
二次会に行くやつ。
先輩に連れていかれるやつ。
それはさまざまや。
俺は彼女とまだ一緒にいたいから、
大通りまで一緒にいきましょか?
パァッと花が咲いたような可愛らしい、人懐こい笑顔が向けられる。
少し歩きだしたところで、ふいに掴まれた左の袖口。
チャンスとばかりに繋いだ彼女の右手。
前は聞けなかった連絡先もゲット。
したのは良いものの、画面にうつしだされた名前は、俺のよく知るものではなく
堀田 A
川西「名前が違うようやけど」
彼女は急いで携帯を確認すると、慌てて
薫「ごめんなさい。プライベート用の番号でした。それは本名です。消してください。こっちを…………」
川西「いやや。このままやり取りしようや。
ね? Aちゃん?」
せっかく手にいれた連絡先。
それもプライベート用。
先輩らの話やと番号を教えてくれるのも奇跡に近いらしい。
それがプライベート用なら尚更。
一瞬困った表情をしたが、すぐに
A「じゃあ特別ということで。絶対誰にも言わないでくださいね。」
楽しかったと言い残し、ひろったばかりのタクシーに乗って行くのかと思いきや、何故か一緒に乗せられた俺。
A「ついでなんで乗って行ってください。
送ります」
川西「それはさすがに…………」
断ろうとしたものの、もう動き出していたタクシー。
せっかくやし、と家まで送ってもらった。
いや、逆やろ。なんて心の中でつっこんでみたが、余分に話せたから良かった。
この繋がりは、絶対に大事にしたい。
そう心に決め、もう少しの道のりを歩く。
少し寂しくなった手を見つめながら。
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作者名:美音 | 作成日時:2019年2月28日 16時