検索窓
今日:17 hit、昨日:4 hit、合計:372,530 hit

ページ46







抵抗の最中、突然、裕翔くんの動きが止まった。

不意に、頬に感じる水音。



「ゆ......と、?」



そっと目を開けると、
俺の体を跨いだまま、裕翔くんが静かに泣いていた。

ぽたり、ぽたりと、
俺のほっぺに落ちて伝う涙。



「ゆ...、」



裕翔、と名前を呼ぼうとした時、
体を起こされてぎゅぅっと抱きしめられた。

あぁ。いつもの、

いつもの裕翔くんの匂いだ。
いつもの裕翔くんの、優しい手だ。






「やまの、バカ」
「...うん」

「知らない人に付いてっちゃ、だめでしょ」
「...うん」

「ほんと、何考えてんの、」
「...、ごめんな...さい」






痛いくらいに、抱きしめられる。

そこで初めて、
自分がしようとしていたことが、なんて馬鹿げたことだったんだと、気づかされた。


裕翔くんがいなかったら、
俺は今頃、どうなってたんだろう。

一生懸命育ててくれた兄ちゃんに、
二度と顔を合わせられなくなっていたかもしれない。



「もっと、自分を大切にして」
「...うん」

「ねぇ、なんの為に俺がいると思ってんの、」
「え?」



裕翔くんの体が離れて、すらっとした指が俺の涙をすくう。



「辛い時くらい、俺を頼ってよ。やま」
「、...裕翔くん」
「俺、そんなに頼りない?」
「そんなこと、......ないもん」



裕翔くんの唇が、俺のおでこにコツンと当たる。



「ゆうと、く?」
「元気が出るおまじないだよ」
「.........、元気、でた」
「ふふ、そっか」



その日、裕翔くんと一緒のお布団で眠った。

暖かくって、嬉しくって。
裕翔くんに引っ付いた。


「やま、ひっつきすぎ」
「いーじゃん。くふふっ」


家を出たあの日から、スースーと寂しかった心の隙間が、なんだか埋まっていくような気がした。




♡続く♡



皆様、あけましておめでとうございます!
今年も一押しゆとやま更新頑張りますので、
遊びに来てくださいませ〜。

ページがいっぱいになりましたので移行します!

次の更新でお会いしましょう!


939より愛を込めて。2018.1.5

この小説の続きへ→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (287 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1940人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:939 | 作成日時:2017年9月29日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。