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抵抗の最中、突然、裕翔くんの動きが止まった。
不意に、頬に感じる水音。
「ゆ......と、?」
そっと目を開けると、
俺の体を跨いだまま、裕翔くんが静かに泣いていた。
ぽたり、ぽたりと、
俺のほっぺに落ちて伝う涙。
「ゆ...、」
裕翔、と名前を呼ぼうとした時、
体を起こされてぎゅぅっと抱きしめられた。
あぁ。いつもの、
いつもの裕翔くんの匂いだ。
いつもの裕翔くんの、優しい手だ。
「やまの、バカ」
「...うん」
「知らない人に付いてっちゃ、だめでしょ」
「...うん」
「ほんと、何考えてんの、」
「...、ごめんな...さい」
痛いくらいに、抱きしめられる。
そこで初めて、
自分がしようとしていたことが、なんて馬鹿げたことだったんだと、気づかされた。
裕翔くんがいなかったら、
俺は今頃、どうなってたんだろう。
一生懸命育ててくれた兄ちゃんに、
二度と顔を合わせられなくなっていたかもしれない。
「もっと、自分を大切にして」
「...うん」
「ねぇ、なんの為に俺がいると思ってんの、」
「え?」
裕翔くんの体が離れて、すらっとした指が俺の涙をすくう。
「辛い時くらい、俺を頼ってよ。やま」
「、...裕翔くん」
「俺、そんなに頼りない?」
「そんなこと、......ないもん」
裕翔くんの唇が、俺のおでこにコツンと当たる。
「ゆうと、く?」
「元気が出るおまじないだよ」
「.........、元気、でた」
「ふふ、そっか」
その日、裕翔くんと一緒のお布団で眠った。
暖かくって、嬉しくって。
裕翔くんに引っ付いた。
「やま、ひっつきすぎ」
「いーじゃん。くふふっ」
家を出たあの日から、スースーと寂しかった心の隙間が、なんだか埋まっていくような気がした。
♡続く♡
皆様、あけましておめでとうございます!
今年も一押しゆとやま更新頑張りますので、
遊びに来てくださいませ〜。
ページがいっぱいになりましたので移行します!
次の更新でお会いしましょう!
939より愛を込めて。2018.1.5
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作者名:939 | 作成日時:2017年9月29日 12時