・ ページ42
、
、
、
「あ、....れ?」
気づいたら、病院のベットの上にいた。
外は真っ暗。雨の音が聞こえる。
なんで?
確か俺、バイトに行って、それで.......、。
「気づいたか?」
声の主に、驚いた。
「え......っ、?!薮、くん......!?」
ベッドそばの丸椅子に座っていたのは、
あの日以来、顔を合わせていなかった薮くんだった。
なんで、ここに、......?
確かバイト中に俺、意識が遠くなって。。それで、
「倒れたのは過労と貧血だと。なぁ涼介、お前ちゃんと食べてんのか?」
緊急連絡先...、本当は兄ちゃんのを書かなきゃいけないところに、薮くんの番号を借りて書いてたんだった。兄ちゃん離れを、するために。
どうせ緊急な時なんかないって思ってたのに、
「ごめ...なさ...、」
迷惑をかけてしまった。
俺になんて会いたくないはずなのに。
きっと店長が電話して薮くんを呼んで、
呼ばれた薮くんは、話を合わせて兄だと偽ってここに来てくれたのだろう。
何て言おう。
......、ここは正直に、打ち明けるしかないか。
兄ちゃんには内緒にしてもらえるように、お願いしないと。
「薮くん...、あの、」
謝ろうと思って体を起こそうとしたのに、
それは薮くんの手によって阻まれた。
「やぶ、くん?えっと、その、」
「色々と悪かった、涼介」
「え?」
目の前には俺に頭を下げてる薮くんの姿。
「やだ、薮くん、顔あげてよ...!」
「涼介...」
なんだか薮くんの顔が疲れてるように見える。
俺になんて心配されたくないだろうから言わないけれど。
「薮くん、あの...、連絡先、、勝手に借りてごめんなさい」
「......」
「兄ちゃんには...俺のことで心配かけたくなくて、それで、その、今日のことは、...内緒に、しといて欲しいんだけど...」
ふと、薮くんと目が合う。
何もかも見透かされるような、鋭い目。
少しだけ、背筋が伸びた。
「慧には、知らせねぇのか?」
「うん。...そうして欲しいんだけど、お願いします」
薮くんは分かった、と言い、
その日、俺のそばにずっと付いていてくれた。
1940人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:939 | 作成日時:2017年9月29日 12時