イチゴがぷくり。JUMP×ym (ページ38)

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「やま、行くよ」

楽屋で少し休んだのち、裕翔くんにお礼を言って帰ろうと思ったのに。
手を引かれ、半ば強引に裕翔くんの車の助手席へ。

「ゆうとくっ...、あの、俺、」
「一人で帰ろうとか思ってる？だめに決まってんじゃん」

車に乗せられて着いた先は裕翔くんの家。
着いたら着いたで俺の荷物をさっと持ち、こちらを見ようともせずにずんずんと進んでいってしまう裕翔くん。

ねえ、待って、置いてかないで......

「あっ、」

まだ本調子じゃない為か、足がもつれて体がふらりと傾く。
もうやだ帰りたい。

今からでも遅くない。
タクシー捕まえて、自分の家に帰ろう。

「やま、ごめん気づかなくて。俺に捕まって」
「ゆうとく...っ、」

俺の腰に手を回し、体を支えに戻ってきてくれた裕翔くん。
ごめんなさい、迷惑かけて。
こんなどんくさい俺だから、きっと嫌になったんだよね。。

そう思えば思うほど、涙を堪え切れなくて。

「えっ、やま？どこか痛い？やま？」
「ちがう、からっ、......っ、ちがう、」

ぽろぽろと涙を溢す俺を見て、あわあわしだす裕翔くんに、

「家、帰る。めいわく、かけて、...ごめんなさい」

どうにか絞りだせた言葉。

「じゃあ...、」

裕翔くんの手から自分の荷物を取り戻し、大通りに向かって歩こうと、くるっと体を反転させた時だった。

外だというのに、ふわり、と後ろから抱きしめられる。

「だめ、帰さないから」

弱々しい声。
心なしか、震えてるようにも聞こえる。

「はなして...、かえる...」
「だめ。絶対だめ。」

裕翔くんの手が俺の手を握る。
あったかい、大きな手。大好きな手。

触れられて嬉しいのに、涙が止まんない。

でも、、なんで、いまさら、

「俺のことなんて、ほっとけばいいじゃん」
「やま？」
「俺のこと、ずっと避けてたくせに......、いまさら優しくしないでよっ」
「っ、」

裕翔くんの手を自分から放し、歩き出す。

ほんとは嬉しかったのに、
心配してくれて嬉しくてしょうがなかったのに、

可愛げのない自分に呆れる。

きっともう、これで終わりなんだ。
裕翔くんと俺の関係は、きっと......

頬を伝う涙をぐしぐしと拭きながら、
裕翔くんを想う。

好きだよ、
好き。

好き、

大好き。

裕翔くん、、。