イチゴがぷくり。JUMP×ym (ページ21)

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ym side

「あの、......えと、」

さっきから、目の前のイケメンさんにめっちゃ見られてる。
これ、キスできちゃう距離だよね？こわい。

「俺、中島裕翔！宜しくね涼介くん！」
「あの、えと、...」
「こんな可愛い子初めて見たよ！今日出逢えたのはきっと運命だね！結婚しよう！」
「えっ、」
「おいこら裕翔！ちけーんだわ、お前！もっと離れろ！」
「ぐえっ」

戸惑ってたら、ゆーやが助けてくれた。
超イケメン！さすが俺の恋人！かっこいい！

でも中島さん大丈夫かな、ゆーやのプロレス技がヤバすぎて白目むいてる...

「で、どこまでいったの？ふたりは」

へ？

「ね。涼介くん、雄也のどんなとこが好きなの？」

前の席から移動して、俺の隣に座ってる薮さん。
い、いつの間に？！

そして、俺にしか聞こえない声量で囁くその言葉に驚いた。

だって...。。
付き合ってるのは誰にも言ってないはずなのに。

「ふふ、なんで俺が二人の関係に気付いたかって？」
「...はい、」
「見てれば分かるよ。...キス止まりってことも、ね？」
「っ！！？？」

な、なな、なんで？！
そんなに俺たちって、分かりやすい関係なの？！

「涼介くん、欲求不満？」
「え？」

薮さんの指が、俺の目の前に置かれたカクテルにささるストローを撫でる。

「ここ、噛んでる。溜まってんの？」
「っっ！！！？？？」

かあぁと火照るほっぺが「そうだよ」と薮さんに教えてしまう。

だって、...図星なんだもん。

「ふふ、涼介くん。やっぱり可愛いね」
「ひゃ、」

薮さんの指が耳朶をやわやわと揉みしだく。
びっくりして変な声が出ちゃった。

でもゆーやは中島さんとまだ揉めていて気付いてなさそう。

「あの、薮さ...」
「俺が教えてやろーか？」
「え？」

薮さんの熱っぽい瞳に体がじんわりと汗を掻く。
なに、これ。。

「初めて同士は先に進むのが難しいかもしんねぇぞ。特に男同士なら、な？」
「え？」
「俺なら、雄也を喜ばせる方法を教えてあげられるよ」

ゆーやを、喜ばせる、ほうほう？

「前に渡した連絡先、まだ持ってる？」

コクン、と小さく頷く。

「なら話は早い。気持ちが固まったら連絡して？涼介くんのためなら、いつでも飛んで行くから」

魔法のような言葉。

ひとつも経験のない俺が、ゆーやを喜ばせることが出来るかもしれない。

......、来週、実家に帰るって言ってたな。
薮さんに連絡するなら、そこしかないかもしれない。