★ ページ15
、
「やま...だ、りょうす...け、です」
放課後、有岡くんのおかげで、
今朝のちんまいこが再び俺の前に。
頬を赤く染め、伏し目がち。
前髪の隙間から時々、俺を見つめてる。小動物みたい。
「こいつ、山田ね！俺の幼馴染！」
「今朝は...、その、いきなりすみませんでした」
名前も言わずに、気持ち悪かったですよね、と。
涙ぐむ、その姿に息を飲んだ。
...うっわ、なにこの子、めちゃくちゃ可愛い。
「いや！気持ち悪く、ないから！」
「えー、高木食べようか迷ってたじゃーん！」
「...やっぱり、」
ちょ！！！
有岡くんの分からず屋！！！今それ言う？！
あぁあーー、ますます山田くん泣きそうじゃんかー！！
「違う、違うから！ちょっと驚いただけで、」
「ほんと、ですか？」
「うん！ちょびっとだけ有岡くんに食べられちゃったけど、めーっちゃ美味しかった！ご馳走様！」
とにかく食べたことと、お礼が言いたくて、
息継ぎを忘れて必死に訴えた。
「っ！...、食べてくれたんですね、、...嬉しい、です」
そしたら、嬉しそうにはにかむ山田くんが見えた。
ううわ、笑ったらもっと可愛くなった。
「あ、あの」
「あの！」
なんで俺にくれたのかを聞きたくて言葉を発せば、
同時に何か言いたげな山田くんと声がかぶる。
「あ、先にどうぞ」
「あ、えと、高木先輩こそ先にどうぞ、」
不毛な譲り合い。拉致があかない。
そんな俺らをニヤニヤしながら見てる有岡くんにもちょっとイライラ。
「何笑ってんのさ！有岡くん！」
「いやーうん。お前ら気があうなと思ってさ！じゃ、俺先帰っから！また明日な〜！」
なんとも自由人な有岡くんは一人足早に退散して、茜色に染まった教室にぽつんと残された俺ら。
どうしよっかなぁ、と思いつつ、呆然とする山田くんに声をかける。
「一緒に、帰ろっか？」
「えっ...っ、、...はいっ！！！」
とりあえず、帰りながら山田くんと話してみよう。
そしたら、胸の奥のムズムズの正体が分かるかもしれないから。
♡終♡...？
ご褒美は。ytym（10/9up）→←先輩、年下は嫌いですか？tkym（10/7up）
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作者名：９３９
| 作成日時：2017年9月29日 12時
