四十五話/死んだら何も出来ないのに ページ45
ーー物語は再び冒頭へ。
｢ぼぼ、僕は騒ぎを聞きつけた一般市民で、す！いい生きてれば好いことあるよ！｣
｢誰だか知らないが無責任に云うな！みんな死ねば良いンだ！｣
｢ぼ、僕なんか孤児で家族も友達も居なくて、この前その院さえ追い出されーー｣
そこで、Aが瞳に涙を浮かべていることに気が付いた敦は言葉を止めた。
｢ーーぁ｣
少女の紫紺の瞳には、様々な感情がない混ぜになって去来していて。その美しい光景に、敦は思わず息を呑んでいた。
しかし、Aは瞬きの間にその
｢私……私には貴方が無理してるように見えます。本当は優しいのに、無理して怒ってるように見えます｣
云い乍ら、Aは一歩前に踏み出した。その少女に爆弾魔は怒鳴る訳でもなく、顔を焦り一色に染めていく。
｢貴方に何があったのか、何があって貴方が無理して怒っているのか、私は知らない。ーーだから、教えて欲しいです。話せば楽になるかもしれないし、それに｣
｢そンなの！そンなこと……ある筈な｣
｢判らない。若し話しても楽にならなかった。そうなったとしても、一緒に考えていくことは出来る。…一緒に未来を選んでいける。ーーでも、此処で死んじゃったら、そんなことも出来なくなっちゃう。死んだら、何も｣
｢ーーぁ、う｣
例え、美醜についての教育を受けていなくとも、人は皆等しくその少女に心を奪われるであろうと、敦はこの時思った。
光の加減か何かで、黒だった筈の瞳が何時の間にか紫へと変化している。
その神秘的な瞳も相まって、彼女の存在はまるで天使のように果敢なげで、
窓から差し込む陽光によってつくり出される影だけが、眼前の少女は、現世に存在するものだと納得させてくれる。
｢ーーーー｣
刹那、あらゆる人間が抱く『美』への最適解である少女が、太宰をちらと見やる。その訴えの視線を受け、太宰は国木田に合図を出した。
｢手帳の頁を
文句を云い乍らも、国木田は目にも留まらぬ疾さで手帳に文字を書いていく。
｢異能力───『独歩吟客』｣
国木田が文字を書いた手帳を破ると、破られた頁が発光する。そして、頁は頁では無い別の何かに形を変えてーー、
｢
国木田の叫んだ言葉通り、頁は鉄線銃へと姿を変える。
｢なっ……｣
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女中(プロフ) - よくねたしおだおぉぉぉぉ！！！さん» 米有難うございます励みになります！！！初めてコメントとかきて過呼吸なりました(Tほんとに！！有難うございます！！！ (2022年2月7日 9時) (
レス) id: 44e9453d1b (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ！！！ - ｳﾜｧ、、好き、、もっと評価されるべき！更新待ってます！！！ (2022年2月6日 19時) (レス) @page45 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：女中 | 作成日時：2021年12月4日 16時
