三十九話/太宰救出作戦 ページ39
｢敦君、其の服凄く似合ってる！！｣
｢そうかなぁ……へへ｣
｢やぁ、良く来たね｣
｢ーーーー｣
何だか恋人同士に聞こえなくもない敦とAの会話。
褒められ慣れていない敦は、しかし口元を緩ませ乍ら頭を搔く。その敦の様子に同じく、何故かAも口元を緩ませていた。
しかし、そんな二人の会話は躰を半分に折って、若干笑顔で土管に挟まっている男ーー太宰治の歓迎の一言によって永遠に中断されることとなった。
｢早速だが助けて｣
｢ーーーー｣
太宰の一言にAの瞳は急速に温度を冷えさせていく。
敦はその美少女を見なかった振りをして一歩前に踏み出すと、
｢え……？なんですかこれ？｣
｢なんだと思うね？｣
｢朝の幻覚？｣
｢違う｣
｢ーー拷問の最中、ですか？｣
｢お、半分
半分だけでも中りなのか、と敦はAと土管から顔を出す太宰の顔を交互に見やった。
朝からとんでもない情報量で頭が爆発しそうだ。
｢こうした自｀殺法があると聞き、早速試して見たのだ。が、苦しいばかりで一向に死ねない｣
｢ーー拷問法なので当たり前かと……｣
｢そう！後で分かったことなのだがこれは自｀殺法ではなく拷問法だったのだよ！！｣
そう叫ぶ太宰に敦は｢はぁ……｣と何となく判った風な反応をして、
｢でも、自｀殺なのでしょう？そのままいけばーー｣
｢確かに、そのままいけば嵌って死｣
｢苦しいのは嫌だ。当然だろう｣
敦の言葉を引き継いだAの言葉に太宰は常人には理解し難い返答をした。
苦しまない自｀殺なんてあるのだろうか。
疑問符が敦の頭を飛び交う。
｢ーーーー｣
ふと、隣を見ればその太宰の様子に目を細めているAが視界に入った。そんな少女の姿に、話についていけないのは自分だけではなかった、と敦は安堵すると、
｢成程｣
と、言葉だけの理解を示した。
そしてそれから今にも躰が嵌まり切ってしまいそうな土管から太宰を救出しようと手を伸ばそうとする。
だがーー、
｢大丈夫だよ敦君、私がやるから｣
｢ーーうん……判った｣
伸ばしかけた敦の手を掴み、Aは率先して太宰を救出せんとする。
その少女の言葉に一瞬、女の子一人に此れをやらせるのは如何なものか、という懸念が敦の頭を過ぎった。が、それも本当に一瞬のことで、一歩前に出たAの瞳が怖すぎて言葉を挟むのをやめた。
本当に、怖かった。
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女中(プロフ) - よくねたしおだおぉぉぉぉ！！！さん» 米有難うございます励みになります！！！初めてコメントとかきて過呼吸なりました(Tほんとに！！有難うございます！！！ (2022年2月7日 9時) (
レス) id: 44e9453d1b (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ！！！ - ｳﾜｧ、、好き、、もっと評価されるべき！更新待ってます！！！ (2022年2月6日 19時) (レス) @page45 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：女中 | 作成日時：2021年12月4日 16時
