二十五話/探偵社員の皆様方 ページ25
「おい、太宰。この二人は恋仲なのか?」
「さぁ、敦君は否定していたけどねぇ……若しかしたら云えない関係なのかもしれないよ国木田君」
「何……!?そ、そうか……ならあまり、その、踏み込まないでおいてやろう」
Aに膝枕されている敦に困惑し乍ら耳打ちしてきた国木田に太宰が悪戯に目を細めて応じる。国木田はそれに気づかず、分かり易く動揺し始めた。
一方、そんな二人の様子を見ていたAは
「全部、聞こえてるんですけど……」
そう、顔を
だが、Aが示した反応はそれきりで、国木田の隣で笑いを堪えている男の発言を否定も肯定もしない。
「まぁ兎に角!そのメモのおかげで非番の奴らまで駆り出す始末だ。皆に酒でも奢れ」
若干顔を赤く染めて叫んだ国木田の後ろ。
其処には何時の間に現れたのか三つの人影が伸びていた。
向かって右から金髪に麦わら帽子、顔にそばかすのある青いオーバーオールを身に纏った少年。
そして、髪を肩口で切り揃えた蝶の髪飾りが特徴的な妖艶な顔立ちの女性。
最後に、如何にも探偵と云ったような格好の糸目の少年ーー否、青年だろうか。身長は低いが雰囲気や顔立ちが何処か大人っぽい気がする。
「ーーぁ」
そんな個性の強い三人の御登場に呆気に取られているAを横目に妖艶な顔立ちの女性が一歩前に出て、
「なンだ。怪我人はなしかい?つまんないねェ」
与謝野晶子───能力名『
「はっはっは。中々できるようになったじゃないか太宰。まぁ僕には及ばないけどね!」
江戸川乱歩───能力名『
「でもそのヒトどうするんです?自覚はなかったわけでしょ?」
宮沢賢治───能力名『
「どうする太宰?一応区の指定猛獣だぞ」
国木田独歩───能力名『
「うふふ、実はもう決めてある」
太宰治───『
太宰はそう云って意味ありげな視線でAと敦を射抜いた。
「ーーーー」
Aは眉を寄せた。
矢張り、太宰の視線は此方を見透かされているようで実に居心地が悪いし、云ってしまえば不快だ。
Aはそんな不快な視線から守るように自分に膝枕されている少年を後ろに移動させた。
それから、形の良い眉を顰めて、
「ーーな、んですか」
問い掛けた。
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女中(プロフ) - よくねたしおだおぉぉぉぉ!!!さん» 米有難うございます励みになります!!!初めてコメントとかきて過呼吸なりました(Tほんとに!!有難うございます!!! (2022年2月7日 9時) (レス) id: 44e9453d1b (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ!!! - ウワァ、、好き、、もっと評価されるべき!更新待ってます!!! (2022年2月6日 19時) (レス) @page45 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:女中 | 作成日時:2021年12月4日 16時