え こ ひ い き ページ15
・
『なんで、優しくするんですか、』
──
【叶】
「ん、ー…ふふ、なーんでだ？」
ミルクティーに砂糖を溶かしたような、そんな甘さに息が詰まる。ぐ、と押し黙ると、彼は優しく微笑んだ。
「単純にさ、好きなんだよね、Aのこと。」
そう言ってはぱっと立ち上がって近付いてくる。あまりに甘くて、苦くて、思わず後退れば、なんで逃げるの？だって。
「ほんと、誰にも渡したくないから、Aにだけ優しくしよっかなって。そしたら、Aも僕を意識するよね。」
拒否権なんかなくて、完全に彼の甘さに酔ってしまいそうだった。
「大好きだよ、A」
【剣持刀也】
「別に貴方だけに優しくしてるつもりも無いですけど。」
勘違いしないで、と彼は言うけれど、日に日に優しさは募っていく。それは他人が見れば異様なほど。
「別になんでもいいでしょ。僕が優しくしてやってるんだから」
そう言ってロッカーの扉を開けると一通の手紙が入っていた。冷たい目で見下ろして、ぐしゃりと握った彼。
「こういうの要らないんだよな。」
捨てといて、なんて。
どうしても、彼が優しくする理由が分からない。
【星川サラ】
「星川の勝手でしょ。誰に優しくしようが、冷たくしようが。Aに迷惑かけてないよね？」
サイドテールの髪を揺らして彼女は笑う。見下すような視線に貴方が謝ると、別にいいよ、って。
「A、星川に優しくされてうれしかった？」
今度は下から覗き込むようにして、彼女は言葉を紡いだ。ゆっくり頷けば、綺麗なオッドアイが細められる。
「そっか。あはっ、じゃあ、」
宥めるように頭を撫でて
「計画通りだ♡」
【夕陽リリ】
「別に未来人贔屓してるつもりはないんですけどね、」
後ろ手を組んで、綺麗な短髪を揺らす。彼女の見透かすような空色の瞳は、何も言わずとも貴方を黙らせる。
「まあかと言っておまえ以外に本気で優しくしてるかって言ったら、いいえでしょうけど。」
ごく当たり前かのようににこにこと笑いながら貴方に近付く。
「ふふ、いいじゃないですか？
……満更でもなかった癖に。」
耳元でそっと。言葉に詰まれば、からからと楽しそうに笑う。
「未来人好きですよ、Aのそういうとこ。」
可愛い、なんて。
「だから誰にも見せてやりたくないんだよ」
これぞ正しく依怙贔屓。
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みずな - 初コメ失礼します。なかなかない女性ライバーさんの百合っぽいお話が多くて嬉しいです。 (2023年4月18日 19時) (
レス) @page25 id: fa8f980323 (このIDを非表示/違反報告)
ぬな(プロフ) - 他作品では見ない女の子達が多いうえに解像度が高すぎて最高でした👏 (2023年3月4日 20時) (レス) @page6 id: ef1d748dcf (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 遅れてしまいました！確かに5人までですね…ならMysta様を減らしてほしいです… (2023年1月22日 22時) (レス) id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
メロン(プロフ) - 初コメ失礼します。女性ライバーさんのお話少ないので助かります…！毎日楽しみにしながら過ごしております！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 9fae81429f (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - リクエスト失礼します。「ヤンデレライバーに首輪をつけてほしいと夢主が頼んだら」をlosさん、msrさん、iniさんで見たいです。出来ればお願いします。 (2022年12月16日 21時) (レス) id: cf64f53297 (このIDを非表示/違反報告)
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