ま た い つ か ページ14
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『…どなた…ですか、』
─
【甲斐田晴】
「……嘘だと思ってたなあ…」
真っ白な病室に足を踏み入れれば、消毒液の匂いと見知った顔。毎日のように抱きしめていた貴方が、まるで知らない人に接するように。
同期から聞いて、どうせ冗談だなんて。あの二人はそんなたちの悪いこと言わないに決まっていたのに。
「ねえA…僕だよ、晴だってば、…」
喉が渇く。伸ばした手が貴方に触れることは無かった。あまりに不安げに見つめられて、どうしようもなく罪悪感が襲う。
「なんで、…Aの傍にいてあげられなかったんだろ…ごめんね、A……ごめ、ん」
どうすれば、寂しくなくなるかな。
【加賀美ハヤト】
「…大丈夫ですよ、私も記憶集め手伝いますから」
誰だか分からないのに、目の前の彼は寂しげに笑った。霞んだ頭は思い出すことを許してはくれない。
「そんな顔しないでください。大丈夫、Aさんのことは私が守ります」
両手を握ってまた笑う。貴方が顔を顰めれば、彼は優しく抱きしめる。
「やっぱり寂しいですね、…Aが居たのが当たり前だったからでしょうか、…」
呼び捨て、と貴方が口に出せば彼はぐっと押し黙る。どうしても、思い出してはくれないのか。
「ちゃんと、待ってますから……」
【樋口楓】
「嘘やろ、なあ、…こんなん、あんまりやん……」
ぺた、と座り込んでしまった彼女を不安げに見下ろした貴方。綺麗な銀髪にそっと手を伸ばしてやれば、その手のひらごと抱きしめられる。
「なんでなん、なあ、…A……。ほんまに、覚えとらんわけないよな、……なあ、」
あまりに震えた声に、ゆらゆらと瞳を揺らせば、ごめんと謝られて彼女はその場から去ってしまった。行き場をなくした手のひらに、無性に残る冷たい寂しさ。
「……最低やな、…こんなときに、傍におられへんねや、私。」
綺麗なアメジストが揺れた前髪から見え隠れして。長い廊下に彼女は屈みこんだ。
「ごめんな、…A」
こんなんでも、大好きなんだよ。
【天ヶ瀬むゆ】
「……A！大丈夫〜？」
病室のドアを引いた手は少し震えていたけれど、貴方の顔が見たくて。
「天ヶ瀬むゆだよ、って、覚えてないかぁ…」
ごめんなさいと謝る貴方の頭を撫でて、大丈夫と笑う彼女。
「むゆとAがどんな関係だったのって？えーもう、こい、…。友達だよ？普通に！めっちゃ仲良かったんだよ？」
言いかけた言葉の先。なんで言えないのかな。
なんで、こんなに寂しいのかな。
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みずな - 初コメ失礼します。なかなかない女性ライバーさんの百合っぽいお話が多くて嬉しいです。 (2023年4月18日 19時) (
レス) @page25 id: fa8f980323 (このIDを非表示/違反報告)
ぬな(プロフ) - 他作品では見ない女の子達が多いうえに解像度が高すぎて最高でした👏 (2023年3月4日 20時) (レス) @page6 id: ef1d748dcf (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 遅れてしまいました！確かに5人までですね…ならMysta様を減らしてほしいです… (2023年1月22日 22時) (レス) id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
メロン(プロフ) - 初コメ失礼します。女性ライバーさんのお話少ないので助かります…！毎日楽しみにしながら過ごしております！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 9fae81429f (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - リクエスト失礼します。「ヤンデレライバーに首輪をつけてほしいと夢主が頼んだら」をlosさん、msrさん、iniさんで見たいです。出来ればお願いします。 (2022年12月16日 21時) (レス) id: cf64f53297 (このIDを非表示/違反報告)
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