小動物と天使 ページ8
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ギターを背負って駅から歩いていると、佐野くんが横を通り過ぎた。いつもなら声をかけてくるのに、声掛けてこないの珍しいな。
『 おーい、佐野(朝から天使)くん？ 』
「 ？……あ、水瀬さん、？おはよう！ 」
『 声掛けてこないの珍しいなって思って声掛けちゃったんだけど、ダメだった？ 』
「 後ろ姿じゃ分からへんかった…… 」
『 あ、ギター背負ってるからか！ 』
「 ほんとに違う人かと思っちゃった…ごめんなぁ、 」
『 ふふ、全然謝られることじゃないよ。』
「 でも、水瀬さんって部活入ってるんやったっけ…？ 」
『 入ってないよ。けど、去年も少しやってたんだけどね、軽音楽部の�眥佑�んいるでしょ？今年も�眥佑�んにお願いされてボーカルとして歌うんだ〜 』
「 そうなん？！うわーなんで去年聞かなかったんやろ 」
『 クラス違ったもんね、私のことなんて知らなくて当然だよ。』
そういうことちゃう！とほんのちょっとプンスカしてる佐野くんがもはや愛おしい。
『 じゃあ、今年は絶対聴いてね？ 』
「 絶対！！！聴く！！ 」
『 ふふ、うん、来てくれるの楽しみにしてるね？ 』
やったーとはしゃぐ佐野くん。文化祭まで楽しみにしていてくれてるから、佐野くんの前では練習しないでおこう！と意気込んだけど、案外佐野くんに歌を披露するのはすぐ来たりするもんで。
�眥諭� Aちゃんのクラスで練習でもいい？ 」
『 いいよいいよ！ 』
�眥諭� 色々持ってくるね！ 」
『 はいはーい 』
�眥佑�んのクラスを覗きに行けばパタパタと走ってきてくれて、私のクラスで練習することに決まった。自分のクラスに戻ろうとすぐ隣の教室に入ると、今日もまたなんか居残りしている佐野くん。
『 佐野くん今日も居残り〜？ 』
「 課題提出すんの忘れとったんよ…… 」
『 どんまい…(笑) あ、ちょっとうるさくなるかもしれないけど大丈夫？ 』
「 ……練習するん？ 」
『 うん。佐野くんには何歌うか秘密にしてようと思ったけど(笑) 』
「 他の人よりもはやく水瀬さんの歌声聴けるんや、！ 」
『 あんまり期待しすぎないでね？ 』
少しお話していれば、楽譜やら筆箱やらを抱えてやってきた�眥佑�ん。小動物かな？
�眥諭� よし！やろう！ 」
『 うん！佐野くんごめんねえ 』
「 全然ええよ、」
佐野くんの元気がさっきよりもない。やっぱ迷惑だったかな？でもまあいいって言ってくれたし、気にすることでもないか。
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作者名：たん | 作成日時：2024年3月13日 15時
