初デート(仮) * ページ14
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匠海ほんまごめん ! 俺とりっちゃん行けなくなった…
少し前から一緒に行こうと予定していた花火大会。匠海とりっちゃんは急遽予定が入ってしまったらしく、まさかのAちゃんと2人きり。
A皆で行けなくて残念だね…
2人で行くのもたのしみだよ!
Aちゃん、浴衣かな？それとも私服なんかな。どっちでもドキドキしてまうやん…。
『 佐野くん！ごめんね、お待たせ！ 』
「 Aちゃ、……………… 」
『 佐野くん…？ 』
「 あ、え、や、似合っとる…！浴衣…！！ 」
『 ふふ、ありがとう。行こ！ 』
Aちゃんによく似合っている浴衣。爽やかで、かわいい。既にAちゃんの事ばかり見てしまって、人にぶつかりそうになってしまった。
『 ねえ何食べる？きゅうり食べたいなあ〜、お好み焼き食べたいし焼きそばも食べたい…… 』
「 きゅうりは一人で一本食べれるやん、やからお好み焼きと焼きそば半分こする？ 」
『 え！いいの？佐野くんやさしいありがとう 』
「 うんっ 」
あかん、可愛すぎるどうしよう。思わず好きって口から出そうになってまうやん。
『 あ、あっち穴場なんだって〜りっちゃんが教えてくれたの 』
「 転びそうやん(笑) 」
『 歩きにくいの！ 』
「 手、つなぐ…？ 」
『 えっ、あ、うん……？ 』
「 それ持つよ 」
『 ありがとう、』
思い切って言ってみたけど、声裏返ってないよな…って心配になったまま、Aちゃんの小さな手を握って、Aちゃんの先導で穴場スポットに連れてってもらう。
「 ほんまにここ人いないなあ、なんでりっちゃん知ってるんやろ(笑) 」
『 りっちゃんなんでも知ってるからなあ(笑) 』
「 物知りやな(笑) 」
『 ふふ(笑) あ、もう始まるかな〜？ 』
「 ほんまや、……お！ 」
わくわくした顔をしているAちゃんの横顔を見ていれば、大きめな音と一緒に打ち上がった花火。綺麗やなあ…。
『 綺麗だね、佐野くん 』
「 うん…綺麗やな。」
『 今日佐野くんと来れてよかった！ありがとう！ 』
「 ほんま？よかったあ、」
『 4人もいいけど2人もありだね〜 』
Aちゃんの言葉、ちょっとだけ期待してしまうやんか。ずるいよAちゃん。そう言いかけたけど、つっかえて出えへんかった。好きもずるいも、言えへん俺はまだまだやな。
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作者名：たん | 作成日時：2024年3月13日 15時
