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91話 ページ46

「はぁ…なんとか落ち着いたわね。」


夕方、ようやく患者がいなくなった保健室を眺め、蝶羽は溜息を吐いた。


「ったく、警察は何をしてるんだ。こんな被害ばっか出しやがって。」

「なんか今日は学園の周りに不良達が集まってたみたいよ。それでこんなに忙しかったのよ。」

「集まってた…?」

「安心しなさい。さっきほぼ全部警察に連れて行かれたらしいわ。これでようやく落ち着くんじゃない?」


蝶羽の言葉に、1年生達は安堵の溜息を吐く。


「よかった〜…俺も結構ヒヤヒヤして過ごしてたからね。」

「ただね、問題なのは主犯がまだ捕まってないらしいのよ。」

「は…?じゃあ解決してねぇじゃねぇか!!」


その時、バンッッと勢いよく保健室の扉が開かれる。


「「「「!!?」」」」

「なんとか侵入できたな。…っと、保健室なら弱ってる学園生が集まってると思ったが、こんだけか…。」

「誰だお前ら…東雲の人間じゃねぇな。」


保健室に入ってきたのは、ガラの悪い男5人組だった。


「あら?矢田君じゃない。久し振りね。貴方が主犯だったのね。」

「は?アゲハお前こいつらの知り合いかよ!?」

「知り合いっていうか…彼、問題起こしまくってこの学園退学になった元生徒なのよ。」

「はぁ!?」


男の1人はニヤリと笑って蝶羽に近づく。


「烏野先生〜、相変わらずお綺麗っスねぇ。」

「あらありがとう。」

「その綺麗な顔とおたくの生徒ら、傷つけられたくなかったら大人しく金、渡してもらえます?」

「いくら?」

「1億。」


蝶羽は小さく溜息を吐くと、矢田を見つめた。


「矢田君、貴方お金が目的じゃないでしょ?」

「あ?」

「下っ端の子達はお金欲しさにやってるんだろうけど、貴方の場合は違う。退学にされた腹いせにこの学園の子を傷つけたいだけでしょ?」

「!!」

「…あのね、貴方喧嘩の強さだけが取り柄だからってこんなこと…。」

「黙れ!!」


矢田は声を上げると憎しみに満ちた表情を浮かべる。


「俺はこの学園で首席を取ることを目指してきた。なのに受験してみりゃ一般クラス。底辺の奴らと一緒に過ごしていかなきゃならねぇなんて耐えられねぇだろ!!」

「底辺って貴方ね…。」

「だから生意気言ってきたクラスメイトをボコした。当然だろ?俺にそんな口利いたんだから!!そしたら今度は退学って…復讐したくもなるだろ!!」

「いや……しょーもな…。」

「!!?」


そう呟いたのは冷めた目をしたAだった。

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設定タグ:DREAM!ing , ドリーミング , 獅子丸孝臣   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:茶虎 | 作成日時:2019年11月18日 15時

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