81話 ページ34
「まさかミッション型だったとは…。」
「うぅぅ…。」
Aと千里はあれから殺人鬼ラビットから逃げる為にロッカーの中へと入っていた。
「あいつに捕まったらゲームオーバーなんて書いてあったか…?」
「あったよ〜…ちゃんと読んでよ〜…。」
「倒すのは…ダメだよな。」
「ダメに決まってるでしょ!?」
A達はロッカーの中で小声で話す。
「それにしても狭いな。お前出てけ。」
「やだよ!?もう俺Aちゃんの腕から離れられなくなってるのわかるでしょ!?」
「それもうぜぇんだよ。暑苦しい。だいたい孝臣以外がAに引っ付いてくるな。」
「そんなこと言わないで助けてよぉ!!帰りに黒うさぎ君のポーチ買ってあげるから〜!」
「ッ!!……っち、しょうがねぇな。じゃあ黙ってついてこい。」
Aはそう言うと、千里の肩を引きながらそっとロッカーを出る。
そのまま歩みを進めると、突然千里の口を押さえながらしゃがみ込む。
「!!?」
「しっ…あいつの気配がする…。」
Aの言う通り、隣の部屋から現れた殺人鬼ラビットは、そのまま辺りを見渡す。
「…………。」
誰もいないのを確認すると、殺人鬼ラビットは別の部屋へと入っていった。
「よし、もう大丈夫だ。」
「ぷは…っ、す、凄い…よくわかったね。」
「集中すれば気配くらい読み取れるだろ雑魚。」
「いやいや無理です…。」
Aは懐中電灯を付けると、奥の部屋へと進む。
「よし、ここが出口だ。ここを抜ければ外に出られる。」
「あ!でもここ鍵閉まってるよ!暗証番号なんてわかんないよ!!」
「安心しろ。さっき確認したら殺人鬼ラビットの背中に血文字で37564って書いてあった。多分それだろ。」
「マジ!?全然見てなかった…!」
「こういうのは鍵を開けた途端に最後追いかけられるのが定番だろ。Aが引っ張ってやるから、お前は目でも瞑って付いて来い。」
「やだ…男前すぎて惚れそう…。」
「惚れるな。Aは孝臣一筋だ。よし、行くぞ。」
Aが暗証番号を打ち込むと、最後の扉が開く。
すると出口までの廊下が現れ、後ろからは突然殺人鬼ラビットが現れた。
「走るぞ!掴まれ!!」
「うわぁぁあ!!なんか凄い音する!!来てる!?来てるの!?」
「見るな!!いいからA信じて足だけ動かしてろ!!」
「とことん男前〜!!うわあぁあ!!」
そうして無事走り抜けたA達は、ようやく外に出れたのだった。
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作者名:茶虎 | 作成日時:2019年11月18日 15時