8話 ページ9
「…っはー!!ははははは!!…Aちゃん、何?薄々話聞いて勘付いてたけど、喧嘩とか強いの?」
「はい!それが唯一の取り柄です!そこらの男の子が束になったって負ける気がしません!」
「ははは!そりゃすげぇ。」
「お父さん…いえ、お父様。孝臣はAがこの手で守ります!!」
「いや、だから…っ。」
「はははは!!よかったなぁ、孝臣。ナイトな彼女誕生じゃねぇか。」
「よくねーよ!!だいたい彼女じゃねぇだろ!!」
「孝臣が望むのならAはそれでも…。」
「いや否定しろよ…。」
その時、車がゆっくりと停止し出す。
Aの家の前に到着したのだ。
「あ、ここです!本当にありがとうございました!!」
「いいっていいって。こっちこそ面白いもん見せてもらったし。」
「Aは本気です!では明日からでも孝臣のことをお守りしますので!また学校が終わり次第伺いますね!」
「お前何勝手に話決めて…つか来なくていいっつの!」
「じゃーね孝臣!また明日!いい夢を!!」
「あ、こら待て!!まだ話は…。」
孝臣が声をかけるも、Aは最後まで聞かずに家の中に入っていってしまった。
そうして次の日から、宣言通りAは孝臣の元へ通い始め、今に至るのだった。
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「ところで、今日は依頼少ないの?暇そうだね。」
「あぁ。最近は忙しかったけどな、今日はゆっくり出来そうだぜ。」
事務所のソファでくつろぐAと孝臣を見て、孝臣の父親は声をかける。
「2人共今日は暇だからどっか遊びに行ってきたらどうだ。たまには息抜きも必要だろ。」
「…!!」
「え、こいつと…?」
「是非行ってきます!!」
「おい!」
「お父様!孝臣の安全はAにお任せ下さい!!必ずや健康体で家路に帰して見せます!!」
「ははっ!まるで戦争にでも行くみてぇだな。よろしく頼んだよ。」
そのまま外に出た2人は目的もなく歩き出す。
「ったく、お前はいちいち大袈裟すぎんだよ!!少し出かけるだけだろ。」
「そんなことない!外の世界は危険がいっぱいだし。」
「だから…っと、悪りぃ。」
孝臣の肩に大柄な男の肩がぶつかる。
「イッテェなぁ。おい小僧、どこ見て歩いてんだ?」
「あァ?」
大柄な男が孝臣の胸ぐらに手を伸ばしかけた所で、Aがその腕を掴んだ。
「ん?なんだァ?お嬢ちゃん。こいつの彼女か?」
一瞬も怯まず、Aはギロリと男を睨みつけた。
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うりぼー - 絵が上手すぎてびっくりしました。主人公めちゃかわ (2021年2月26日 2時) (レス) id: 8c3f058671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶虎 | 作成日時:2019年11月13日 15時