37話 ページ38
「ふぅ、終わった。」
Aは荷解きを終えると、ソファにもたれ込んだ。
「よし、私も終わり…っと。ねぇ、折角同居人になるんだし、私もあんたのこと知りたいんだけど。」
「は？」
「ほら、特進生って凡人じゃなれないでしょ？私がアイドルみたいに、あんたも何かしてるんじゃないの？」
「あー、運動神経じゃね？買われたの。GOEMONクリアしたこととか。」
それを聞き雫は大きな声を上げる。
「あーっ！！それか！！なんか見たことある気がすると思ってたのよあんたの顔！！」
「うっさ。キーキー鳴くんじゃねぇよ。黒板引っ掻いた音くらい不快だ。」
「例えが絶妙すぎんのよ…。」
雫はそっとソファに腰を下ろす。
「それにしてもあんたがあのスーパー中学生だったとは。でも確かに印象は最悪だったわよ。テレビでもその性格だったからね。」
「おい隣座んな。つか別に普通だろ。Aはクリアしに行ったのであって、メディアの連中と仲良しこよししに行ったんじゃねぇしな。」
「いやそうだろうけど、常識的にもっと普通に人に接するべきなのよ。」
「知らね。」
「あんた絶対友達いないでしょ。」
「いないけど？」
「うわ即答…。」
雫は小さく溜息を吐くとAを横目で見ながら口を開く。
「ま、まぁ？あんたが友達欲しいって言うんなら、私がなってあげないでもないけど？」
「いやいらない。結構。」
「…で……すよねぇ…。」
本当にあんたは…と雫がつぶやいた所で、Aはソファから立ち上がる。
「さて、お前と話してると人生無駄に浪費しそうだし孝臣の元へでも行きますか。」
「いちいち言葉に毒混ぜないでくれる！？」
「孝臣もきっともう荷解き終わってるよね〜。あ、そうだ！こんな時こそColonをしてみよう！」
「無・視・す・ん・な！！」
Aは雫の言葉を全てスルーし、スマホを操作する。
「孝臣…今…どーこーにーいーる……っと。」
「…あんたColonはやってるんだ。孝臣君以外連絡する相手いるの？」
「は？愚問だな。」
Aは雫にスマホの画面を見せるべく手渡す。
「うわ、友達1人…。」
「Aには孝臣だけいればいいからな。」
それだけ言うとAは部屋から出て行ってしまう。
「本当にしょうがない奴…って、あ！スマホ置いてってるわよ！」
雫は追いかける為急いで部屋を出る。
しかし足の速いAは既に見えなくなっていた。
「えーと、あ、孝臣君から返信来てる。……悠馬君の部屋？」
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うりぼー - 絵が上手すぎてびっくりしました。主人公めちゃかわ (2021年2月26日 2時) (
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作者名：茶虎 | 作成日時：2019年11月13日 15時
