24話 ページ25
Aは孝臣の家族に東雲の合格証明書を見せる。
「おお!!Aちゃん!本当に合格したんだな!!しかも特進に迎え入れたいって書いてあるじゃねぇか!!」
「うーわっ、愛の力すご!てか身近にあの東雲の特進生2人もいるとかびびるわ!」
「うっ…うぅ…我が家から2人も東雲の特進生が出るなんて。お母さん嬉しい…!」
「おい、勝手にこいつを家族にするな。」
「うっ…ううぅ…。」
「何でお前はまた泣いてんだよ!?」
「やっぱ何度見ても嬉しくて…!」
泣きながら母親と抱き合うAを見て孝臣は小さく息を吐く。
まぁ、今日くらいはこういうのもいいか、と思った孝臣は自然と頰が緩んでいた。
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「まさかうちの中学から東雲に入学する奴が現れるなんて…!しかも特進生…!!」
「……。」
「豹華!先生は嬉しいぞ!!」
「調子いいこと言ってんじゃねーよ。今まで散々問題児だって見向きもしてこなかったくせに。」
「なっ…いや、お前は立派になったよ!!誰だって若気の至りくらい…。」
「は?別に今も前も変わってねぇけど。結局お前らは結果だけが全てなんだろ。」
「……っ。」
「とにかく、合格証提出しろっつーからしに来ただけだからもう行くわ。」
「あ…。」
中学校に合格証を提出に来ていたAは、不機嫌そうに職員室を後にする。
外に出ると1人の少年と目が合った。
「あ!豹華さん!!」
「あぁ、九条か。」
「あ!もしかしてそれ、合格証明書じゃ…!」
「そう。無事東雲の特進になることができた。」
「うわー!!本当ですか!?お、おめでとうございます!!豹華さん、あれから凄い頑張ってましたもんね!!うぅ…よかったー!!」
涙を浮かべながら喜ぶ彼を見て、普段ならそのまま通り過ぎるAは彼の肩を軽く叩きながら口を開いた。
「まぁ、お前のお陰でもあるな。ありがとう。」
「え…!?」
「じゃ。」
それだけ言って立ち去るAを見て、九条は1人呟く。
「豹華さんが…僕にお礼を言った…!!」
九条はおめでとうございまーすともう一度大きな声でAに叫ぶと、うるせぇ!!と彼女に怒鳴られていた。
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そしてその後卒業式を迎え、春休みを満喫した彼女等は入学式を明日に控えていた。
「A?何ね?この匂い。お風呂で何をしとるの。」
「ばぁば!今髪染めてるの!」
「あらぁ綺麗な紅だねー。明日入学式なんだから、早めに寝なさいねぇ。」
「はーい。…ん、いい発色♪」
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うりぼー - 絵が上手すぎてびっくりしました。主人公めちゃかわ (2021年2月26日 2時) (レス) id: 8c3f058671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶虎 | 作成日時:2019年11月13日 15時