21話 ページ22
(くっ…これは…やばい……想像以上に体に力が入らない…。)
Aがどうしたものかと思っていると、突然誰かに体を引っ張られた。
「…っ！？」
「ん？誰、お前。」
引っ張られた拍子に今度はその人物の胸元に倒れこんでしまったAは、懐かしい匂いに思わず涙が溢れた。
「汚ぇ手でこいつに触ってんじゃねぇ…。」
「…たか…おみぃ…！！」
Aは力無く孝臣にしがみつく。
「なになに？君この子の何？」
「は？こいつは俺の…俺の……。」
孝臣は言葉に詰まる。
(何だ……友達…？連絡も取り合ってなくて何ヶ月も会ってなかった奴が…？じゃあ何だ。一方的に慕われてる関係？…一方的…に……？)
するとAが口を開いた。
「Aは…孝臣のものだ…！お前らに…ついていく気もないし…話を聞く気もない…！Aが仕えるのはこの方だけだ！！」
「えっ…仕える…？」
すると孝臣はフッと笑って口を開いた。
「悪いな。俺らの関係はそう簡単に言い表わせるようなもんじゃねぇんだわ。けど、こいつは俺の大事なモンに変わりねぇからとりあえず手引け。」
「…えっ！？」
「なっ…。」
「もういいよ。なんか萎えた。行こーぜ。」
「あぁ…だな。チッ。」
男達が去ると、孝臣はAの顔を覗き込んだ。
「ゲ…お前何泣いてんだよ…。」
「だって…ずっと会いたかった人に会えて……それに、だい、大事なモンだって…！！」
「あぁわーったわーった。とりあえず帰るぞ。タクシー拾うから。」
孝臣はタクシーを拾うと、Aと一緒に乗り込んだ。
「つか、久しぶりだよな。」
「うん…あのね、A東雲受けるために…あれから功績と金を手に入れに行ったんだ…。」
「あー、実は…GOEMONはテレビで見た。見たときはびびったけど。」
「あ、そうなんだ…えへへ。」
「アメリカの方もクリアしたみたいだな。マジですげぇよ。」
「やった…孝臣に褒めてもらえた…。」
「……で？その後はどうしてたんだよ。」
「その後は、学力も上げるために塾に通って勉強を始めてたんだ…。授業もちゃんと聞くようにしたんだよ…。」
Aは鞄からボロボロになった参考書を取り出す。
「でも、A馬鹿だから…ちょっとやそっと勉強しただけじゃ全然わかんなくて…。孝臣に会ったら気が抜けちゃいそうだったから…会うの我慢してひたすら毎日勉強してたの…。」
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うりぼー - 絵が上手すぎてびっくりしました。主人公めちゃかわ (2021年2月26日 2時) (
レス) id: 8c3f058671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茶虎 | 作成日時：2019年11月13日 15時
