【DREAM!ing】ライオンさんをお守りします【獅子丸孝臣】 (ページ16)

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15話ページ16

「でも、お前はどうすんだよ。」

「Aもここ受ける！そして孝臣と同じ特進生になる！」

「馬鹿か。」

孝臣はホームページの色々な資料を見せながら説明する。

「まず、ここは相当な学力がないと入れない。お前の通ってる中学、神奈川一馬鹿だって言われてる所だろ。」

「うぐ…。」

そう、Aの通っている中学は神奈川で一番学力が低い中学校と言われているのだ。

「お前そん中でテスト順位どんくらいだよ。」

「テスト…そもそも結構サボってた…。」

「論外じゃねぇか！！」

孝臣は呆れた表情で見つめながら説明を続ける。

「まぁ最悪、学力はどうにかなる面もある。特進は多分カリスマ性とかを重視するからな。そこに目をつけてもらえればいける可能性もある。」

「おお！！」

「でも特進に選ばれるのなんてほんの一握りだ。基本的には一般生徒なんだから学力も大事になってくるに決まってんだろ。」

「う…でも、カリスマ性があれば！！」

そこでAはハッとする。

「け、喧嘩強いって…カリスマ性になりますか…？」

「ならねぇ。」

「うっ…。」

売り込める要素がないだろお前、とズバリと孝臣に言われ、Aは激しく落ち込む。

「それに、ここは学費も入学金も馬鹿高い。お前婆ちゃんと二人暮らしで、そんな余裕あんのか。」

「お金…そんなにない…。」

「だろ。だから俺にこだわってねぇで自分の行きたい高校決めて勉強しろ。それか就職するのか。」

Aは少し黙りこんだ後、空になった食器を持って立ち上がった。

「…ご馳走様でした。今日はもう帰るね。お邪魔しました。」

「は？……おう。」

Aは孝臣の母親の元に食器を持っていくと、そのまま挨拶をして家を出た。

「ちょっと孝臣、Aちゃんと喧嘩でもしたの？こんな時間に帰るなんて珍しいじゃない。」

「あ？…別に喧嘩はしてねぇよ。」

「じゃあなんなのよ。」

「ただ同じ高校には行けないって伝えただけだっつの。」

「…あぁ、東雲…レベル高いもんね。そりゃAちゃんショック受けるわ…あんたのこと大好きだもん。」

「知らねーよ。別にしょうがねぇことだろ。」

「もう、冷たいわね！」

孝臣はそのまま部屋に戻る。

孝臣の母親は溜息を吐きながらその様子を眺めていた。