11話 ページ12
「〜♪」
Aはイヤホンから流れる音楽に鼻歌を乗せながら孝臣の元へ向かう。
「孝臣に教えてもらったUribos、何度聴いてもいいなぁ。孝臣が大好きになるのもわかる。」
少しして曲が終わった。
次の曲が流れるまでの数秒の間、周りの雑音が聞こえてきた中でAの耳に気になる単語が入ってきた。
「……獅子丸探偵事務所のせいであいつ捕まったって…。」
「…やってくれるよな…俺たちで復讐を…。」
「誰が、どこに、復讐するって?」
「うお!?お前誰だ!?いつの間に!?」
即座にイヤホンを取り、怪しげな会話をしていた男2人組の元へAは向かう。
殺気を隠そうともせず、Aは口を開く。
「あそこに手ェ出したら殺すぞ。」
「あ?お前さっきから何だよ。お前あそこの従業員か何かか?」
「でもよ、こいつ中学生くらいだろ。」
「はは、確かに。ガキがイキってんじゃねぇぞ。」
Aはそのまま男の胸倉を掴む。
「答えろ。あそこに何する気だ。」
「おいおいマジで調子乗ってんじゃねぇぞ。」
その時、Aはスンスンと鼻を鳴らした。
「お前とお前の持ってる鞄、別の匂いがする。その鞄お前のじゃないだろ。」
「…なっ。」
「隣のそいつの…ってわけでもなさそうだな。盗品か?」
「…っ!」
ニヤリと笑ってみせたAの顔を男は殴ろうとした。
彼女はそれを軽々と避けると男を獲物を見るような目で睨みつけた。
「てめぇ…あぁそうだよ。俺らはひったくり常習犯だからな。」
「お、おい、何バラしてんだよ。」
「どうせこいつもう勘付いてただろ!」
「あー、あれかお前ら。仲間のひったくり野郎が盗られた人からの依頼かなんかで、あそこの探偵に犯人特定されて怒ってるとかそんなか。」
「知ったからにゃ生きて帰れると思うなよガキ。」
「いやーそれで復讐する気満々の奴ら、こっちが生きて帰す気ねぇけど?」
Aは怪我をしていない方の足で軽く地面をつつくと、真っ直ぐに獲物見据えた。
「松葉杖置いてきたし、軽いリハビリってとこかな。」
そう呟くとAは勢いよく地面に手をつき、前方転回するかの如く足を振り上げた。
「なっ…!?」
「おらっ!!」
「ガッ…!!」
そのまま強烈な踵落としを男の顔面に食らわせると、Aは隣の男を睨みつけた。
「次はお前な。」
「ひ、ひぃ…っ!?…ぐあぁ!!」
Aはそのまま男2人をボコすと、再び鼻歌を歌いながら探偵事務所へと向かい始めた。
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うりぼー - 絵が上手すぎてびっくりしました。主人公めちゃかわ (2021年2月26日 2時) (レス) id: 8c3f058671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶虎 | 作成日時:2019年11月13日 15時