【短編集】架空の愛慕 (ページ2)

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コンコン＿＿

黒「アーヤ、体調はどう？」

そう聞くのは対人関係のエキスパートである黒木貴和(くろきたかかず)だ。

kzのメンバーはサッカーKZやHS、三谷大塚の正会員だったりと基本忙しい人ばかり。

そのため担当を決め担当の曜日に彩のところへ行くようにしている。

彩「､､､体調はいつもどおりだよ。ねえ、黒木くん。私の誕生花知ってる？」

突然問われたその問に黒木は少し不思議に思うもしっかりと答えた。

黒「アーヤの誕生花、カモミールだよね？」

彩「そう。知ってる？カモミールの花言葉の中にね清楚ってあるの。笑っちゃうよね。
私の体は病に蝕まれて綺麗じゃないのに私の左目にはカモミールが咲いてるんだもん。」

彩は冷笑しながら黒木に話す。

対人関係のエキスパートである黒木が相手だからこそ話せるのだろう。
病によって身も心も弱っていた彩は誰かからの優しさが欲しかったのだ。

黒「､､､俺には、アーヤが今どんな姿でどんな顔でドアの向こうにいるのかはわからない。
だけどこれだけは言える。病に蝕まれてたってアーヤはアーヤで、俺にとってはアーヤは清楚なまんまだよ。」

黒木がそう話し終わった後だった。
今まで開くことのなかった部屋のドアが開いたのだ。

彩「これのどこが清楚なの､､､？？普通、人からは花なんて咲かないのに花が咲いて、
身体には根がはってて、花咲病になってから心まで狭くなちゃったのか
みんなに優しくなんて接することができなくて。身体も心も汚くなったのに､､､」

そう嘆く彩の姿を見て黒木は驚いた。たしかに左目には誕生花であるカモミールが咲いていたが
全然汚いと思うことはなく、むしろ青白くなった肌によってカモミールの黄色が映え美しいと思ったくらいだ。

彩「ねえ、黒木くん。これを見ても清楚だって言えるの？」

黙っていたからか彩は黒木にそう聞いた。

黒「アーヤ、さっきも言った通りアーヤは清楚な女の子だよ。花が咲いてたって、心がせなくなってたって
俺にとってはどんなアーヤも綺麗だよ。､､､アーヤ、花咲病ってね別名求愛病っていうんだよ。なんで、そういうか知ってる？それはね、花咲病になる人はみんな誰かからの愛を求めてるんだってさ。」

黒「アーヤはさ、誰か愛されたい人がいるの？」

次は黒木が彩へそう聞いた。

聞かれるとは思っていなかった問に彩は焦る。

彩「わ、私は､､､､」

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