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「これが弧月……」
私が手にしているのはボーダーから支給されたトリガーだった。入隊式を近くに控え、玉狛のトレーニングルームで支給されたトリガーを使いこなせるよう練習をしていた。
「Aはもともと似たようなトリガー使ってたから弧月がいいと思うよ。バランスもいいしね」
練習に付き合ってくれているのは迅だった。
「確かに使いやすいかも。ちょっと重さはあるけど、耐久性もある」
「Aは攻撃手だからね。ちょうどいいんじゃない？」
久々に手にしたトリガーで、実に5年ぶりに迅と手合わせを行う。旧ボーダーのころ、私はよく迅と練習をしていた。そのころを思い出すようだった。
「俺とよく戦う奴でさ、弧月使う奴がいるんだよね。その人はA級1位」
「へえ、迅より強い？」
刀を交えながら私は迅に聞いた。
迅の実力は旧ボーダーのころから一目置かれていた。それはサイドエフェクトがあったから。その迅がよく手を合わせるという相手に純粋に興味があった。
「あ〜、どうかな。単純な技術でいえばその人のほうが強いかも。でも俺サイドエフェクトあるから」
そういって迅は私にぐん、と近づいてにやりと笑う。
「Aの太刀筋、その人に似てる」
弧月を握る手に力を込めて、迅から少し距離をとる。私の、太刀筋。
「それってつまり、忍田さんの弟子ってこと？」
私はもともと忍田さんの弟子だった。
ご名答、迅はそう言うと握っていた刀を下げて、一旦終わろうかと呟いた。
トレーニングルームから出てリビングに戻る。部屋にはテレビをみている陽太郎とヒュースがいた。
「Aちゃん、訓練は終わりか？」
陽太郎が私に駆け寄る。陽太郎はよく私に懐いてくれていた。桐絵ちゃん曰く、私がいない間迅からずっと私の話を聞いていたらしい。しゃがみ込み陽太郎に視線を合わせて頭をなでる。
「ひと段落がついたところ。陽太郎はテレビを見てたの？」
「うむ！ヒュースと待ってたぞ」
「俺は別に待ってない」
こちらに視線を向けたヒュースが口を挟んだ。なんだかかんだ仲がいいんだな、と少しほっこりした気持ちになる。もう一度陽太郎の頭をなでると陽太郎はにっこりと笑って雷神丸のもとへと駆け出した。その間も視線を感じ、そっとその視線のほうへ振り向く。ヒュースが私のほうをじっと見つめていた。
「どうしたの、ヒュース」
「……いや、」
問いかけるけれどなんとも曖昧な返事が返ってきてヒュースはそのまま目をそらした。
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鏡 - なぎささん» なぎささんコメントありがとうございます！好きと言って頂けるだけでありがたいのに5回も読み直して頂けるなんて恐縮です…！本当に本当にありがとうございます！嬉しすぎて泣きそうです…不定期更新でご迷惑お掛けしますがこれからも頑張りますね！ (2022年10月1日 20時) (
レス) @page49 id: 79e67df0bc (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 更新ありがとうございます！この小説が好きすぎて5回は読み直しました...これからも応援しております🥳ご無理のない程度に頑張ってください！ (2022年9月30日 20時) (レス) @page48 id: 0fe7f18098 (このIDを非表示/違反報告)
鏡 - 璃々さん» コメントありがとうございます！手探りで進めているようなお話ですが面白いと言って頂けて本当に嬉しいです！続きも待ってくださるなんて本当に嬉しすぎて転げ回っております…本当に励みになりました！不定期更新で申し訳ないですがこれからも更新頑張りますね！ (2022年7月30日 0時) (レス) id: e6b083c4a6 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - コメント失礼します！近界から帰ってくるっていう新しいタイプのお話ですごく面白いです！！！夢主の実力がどのくらいかとかほんとに気になって仕方ないです…続き楽しみに待ってます！頑張ってください!!! (2022年7月29日 19時) (レス) @page31 id: e950c5fcca (このIDを非表示/違反報告)
鏡 - ゆん。さん» コメントありがとうございます！世界観にハマるだなんてとてもとても嬉しいお言葉ありがとうございます！私もゆん。様のお言葉に励まされ飛び上がって喜んでおります…！これからもちょこちょこ更新しますのでどうぞよろしくお願い致します！ (2022年7月15日 12時) (レス) id: d84ec32568 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡 | 作成日時：2022年6月30日 2時
